オールシーズンタイヤはやめた方がいい?性能やインチ別価格の紹介!

タイヤの種類の一つに、オールシーズンタイヤがあります。オールシーズンタイヤとは、一年を通して履けるタイヤのことです。ノーマルタイヤやスタッドレスタイヤと比べて、どのような特徴が異なるのでしょうか。
この記事では、オールシーズンタイヤの性能やインチ別の価格をまとめました。オールシーズンタイヤがおすすめな地域についても紹介していますので、これから検討する方はぜひ参考にしてください。
オールシーズンタイヤとは?

オールシーズンタイヤとは、一年中履けるタイヤです。
通常であれば、ノーマルタイヤとスタッドレスタイヤを一年で交互に履き替えながら使用します。オールシーズンタイヤのメリットやデメリットは、どのようなものがあるのでしょうか。
以下にオールシーズンタイヤのメリット、デメリット、交換の目安についてまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
オールシーズンタイヤのメリット
オールシーズンタイヤのメリットは、以下の3つです。
- タイヤの履き替えが不要
- 急な積雪でも対応可能
- 保管場所がいらない
オールシーズンタイヤを利用する一番のメリットは、タイヤの履き替えが不要な点です。
ほとんどの方が、ノーマルタイヤとスタッドレスタイヤを一年で交互に履き替えるのではないでしょうか。その場合、タイヤ交換の手間がかかります。季節の変わり目には、必ずタイヤ交換をしなければいけません。
自分でタイヤ交換をする場合は、時間と労力が必要です。お店でタイヤ交換をしてもらう方もいるかもしれませんが、その場合はお金がかかります。オールシーズンタイヤの場合は、このような手間がかかりません。
2つ目のメリットは、急な積雪でも対応可能な点です。季節の変わり目でタイヤ交換をする必要がありますが、交換のタイミングはその年によって違います。ですので、急な積雪には対応が遅れる可能性もあるのです。
オールシーズンタイヤの場合は、そのような交換のタイミングを気にする必要がありません。一度タイヤを履かせてしまえば、交換する必要がないので一年中履きっぱなしです。
3つ目のメリットは、保管場所がいらないという点です。ノーマルタイヤとスタッドレスタイヤを一年で交互に履き替える場合、使っていないタイヤを保管する必要があります。
オールシーズンタイヤは一年中同じタイヤで済むので、そのような保管場所は必要ありません。保管場所がない方でも扱いやすいので、おすすめです。
オールシーズンタイヤのデメリット
オールシーズンタイヤのデメリットは、夏用(冬用)タイヤに「性能面」で劣るという点です。
ノーマルタイヤと比べると、オールシーズンタイヤの方が静粛性の面で劣ります。オールシーズンタイヤは雪道でも走れるように設計されているため、静粛性の部分ではノーマルタイヤの方が優れています。
そのため積雪のない通常走行の際に、ロードノイズが気になることがあるのです。
またオールシーズンタイヤは、グリップ力も性能面で劣ります。ノーマルタイヤと比較すると、雨天時のグリップ力はオールシーズンタイヤの方が劣るため、注意が必要です。
スタッドレスタイヤと比較すると、アイスバーンなどの路面凍結状態でのグリップ力は、そこまで期待できません。
このように、オールシーズンタイヤは夏用(冬用)タイヤと比較すると、部分的に性能面で劣るというデメリットがあります。
交換の目安
オールシーズンタイヤの交換目安は、走行距離30,000kmです。大体30,000km走るのに早くて2年ほど、遅くて4年ほどかかります。
もちろん走り方にもよりますが、走行距離30,000kmを目安に交換を行うようにしましょう。少しでもタイヤを長持ちさせるためには、タイヤの状態を把握することが重要です。具体的には、以下の箇所を定期的にチェックするようにしましょう。
- スリップサイン
- プラットフォーム
スリップサインとは、タイヤの表面(路面との接触部分)にあるゴムの突起です。スリップサインが出ると、タイヤの溝が残り少ないので交換の目安となります。
プラットフォームとは、タイヤの溝が半分になった時に出る突起です。スタッドレスタイヤにも採用されており、グリップ力に影響するため重要なチェック箇所になります。
これらのチェック箇所を定期的に確認し、適期でのタイヤ交換を行いましょう。
オールシーズンタイヤはやめた方がいい?

オールシーズンタイヤは部分的に性能面で劣りますが、一年中履けるためタイヤ交換が不要です。急な積雪にも対応でき、保管場所も必要ないというメリットがあります。
一見、オールシーズンタイヤはメリットばかりが多いようにも思えます。ですが、夏用(冬用)タイヤに比べて性能面で部分的に劣るということは、利用を控えた方がいいのでしょうか。
次は、オールシーズンタイヤがおすすめな場所について解説していきます。
どんな場所にオールシーズンタイヤは向いている?
オールシーズンタイヤが向いている場所は、以下のような場所です。
- 雪が積もらない場所
- 冬でも気温が低くならない
- 路面が整備されている地区
雪が積もらない場所では、オールシーズンタイヤはおすすめです。
スタッドレスタイヤと比較するとオールシーズンタイヤは性能面で部分的に劣ります。雪が積もらない場所では、オールシーズンタイヤの方が手間がかからず扱いやすいです。
本格的に雪が積もる場所ではスタッドレスタイヤの方が安心ですが、雪が降らない場所であれば問題ありません。冬期間のタイヤ交換の手間が必要ないので、オールシーズンタイヤの長所を活かすことができます。
また、冬期間でも気温が低くならない場所であれば、アイスバーンのような路面凍結の可能性も低いためオールシーズンタイヤはおすすめです。
オールシーズンタイヤは、スタッドレスタイヤよりも路面凍結状態での走行性能は劣ります。ですが、気温が低くならない場所では路面凍結の可能性も低いので、安心して走行することが可能です。
また、路面が整備されている地区でもオールシーズンタイヤは向いています。タイヤにとって、路面状態は非常に大切です。路面が整備されていない地区では、タイヤ自体が長持ちしません。
例えば、砂利道が多い地区などの場合はタイヤの溝が減りやすく、冬になると滑りやすくなる可能性があります。タイヤの溝が減るとグリップ力が低下するため、路面が凍結した場合に車が止まりにくくなるのです。
このようにオールシーズンタイヤは、雪が積もらない場所、冬でも気温が低くならない場所、路面が整備されている地区などでは向いています。
オールシーズンタイヤに適した環境であればおすすめ
先述した通り、オールシーズンタイヤに向いている環境であればおすすめです。
オールシーズンタイヤのメリットは多くあります。ですが、冬期間の積雪量が多く路面も凍結するような場所では、オールシーズンタイヤのメリットを活かしきれません。
冬期間の積雪量が多い場所では、オールシーズンタイヤではなくスタッドレスタイヤの方が性能面では高いです。そのため、本格的な積雪地帯ではオールシーズンタイヤは向かないでしょう。
冬期間の気温が低くなる場所についても、同様のことがいえます。オールシーズンタイヤではアイスバーンの状態だとグリップ力が弱いので、スリップする可能性があり注意が必要です。
このように、オールシーズンタイヤに適した環境であれば安全に走行できますが、向いていない環境で使用する際は注意が必要です。
オールシーズンタイヤおすすめメーカー

オールシーズンタイヤにおすすめなメーカーは、どこがあるのでしょうか。生産技術が高い4社について紹介します。ぜひ参考にしてください。
YOKOHAMA
日本でも幅広いシェアを誇っているYOKOHAMAは、高い技術力を持っているメーカーの一つです。高い耐久性が求められるモータースポーツへのタイヤ供給も行っているため、国内でもトップクラスの技術力です。
そのようなYOKOHAMAが販売しているオールシーズンタイヤは、BluEarth-4SAW21になります。タイヤ幅が広いため高いグリップ力があり、雪道に強いのが特徴です。
アイスバーンなどの路面凍結状態ではスタッドレスタイヤの方が性能は高いですが、積雪状態では走行できます。
ノーマルタイヤと比較した場合、ほぼ同等の性能で走行することが可能です。路面が乾いているドライ状態では、高いグリップ力を発揮します。
DUNLOP
DUNLOPは、イギリスのタイヤブランドです。現在日本では、住友ゴム工業株式会社がブランドを引き継ぐ形で事業展開をしています。
DUNLOPで販売しているオールシーズンタイヤは、ALLSEASONMAXX AS1です。スタッドレスタイヤと比較した場合の雪上ブレーキ性能は劣りますが、ノーマルタイヤよりも雪上走行性能は向上しています。
雪道での曲がりやすさやスリップのリスクを大幅に軽減しているので、安心して走行できます。
通常ノーマルタイヤと比較すると、オールシーズンタイヤは静粛性の面で気になる場合が多いです。ALLSEASONMAXX AS1は静粛性の改良が施されているため、ノーマルタイヤと比較しても大差はありません。
このようにスタッドレスタイヤ、ノーマルタイヤの両面で比較しても大きな差がないのが特徴です。バランスのいい走りが可能なので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
TOYO TIRE
TOYO TIRE株式会社は1945年の創業以来、長い間事業を展開している企業です。自動車のタイヤを製造するタイヤ事業を中心としており、兵庫や東京に事務所を置く大手企業になります。
長年積み重ねた経験と知識を基に、高い信頼度を持っている企業です。
そのようなTOYO TIRE株式会社が販売しているオールシーズンタイヤは、CELSIUSとCELSIUS CARGOになります。乾いた路面、降雪状態の路面、どちらでもバランス良く走れるのが特徴です。
CELSIUSは全天候でバランス良く走ることができ、降雪状態でもノーマルタイヤよりも高いグリップ力を発揮します。
CELSIUS CARGOは、主に商用車向けのオールシーズンタイヤです。静粛性の面で改良が施されており、仕事やプライベートなどでも快適な走り心地を堪能できます。
GOODYEAR
GOODYEARは、世界規模で事業を展開しているタイヤメーカーです。1898年の創業から120年以上経過した現代でも、世界中の人がGOODYEARのタイヤを使用しています。
そのようなGOODYEARのオールシーズンタイヤは、以下の5つです。
- Vector 4Seasons Hybrid
- VECTOR 4SEASONS GEN-3
- VECTOR 4SEASONS GEN-3 SUV
- VECTOR 4SEASONS CARGO
- ASSURANCE WEATHERREADY
Vector 4Seasons Hybridは、GOODYEARのオールシーズンタイヤの中でも人気の製品です。比較的安価で購入できるので、多くの方が使用しています。
VECTOR 4SEASONS GEN-3は、Hybridよりも性能面で改良が加えられた製品です。静粛性やグリップ力などの走行性能も向上しているため、Hybridよりも少し値段も上がります。
VECTOR 4SEASONS GEN-3 SUVは、SUV向けのオールシーズンタイヤです。SUVの走行の特徴も活かしつつ、乾いた路面と積雪状態の路面の両方で高いパフォーマンスを発揮します。
VECTOR 4SEASONS CARGOは商用車向け、ASSURANCE WEATHERREADYはミニバンやSUV向けのオールシーズンタイヤです。それぞれ静粛性を残しつつ、高いグリップ力が特徴になります。
GOODYEARでは、多種多様なオールシーズンタイヤを販売しているためおすすめです。
オールシーズンタイヤの価格

オールシーズンタイヤは、いくらで購入できるのでしょうか。
インチ別の価格相場の他にも、国内で普及率が多い軽自動車のオールシーズンタイヤの価格相場、4本セットの価格相場などについて解説していきます。
これから購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
軽自動車のオールシーズンタイヤの相場
日本の軽自動車の普及率は高く、国内の世帯の半分以上が軽自動車を保有しています。そんな軽自動車のオールシーズンタイヤの相場は、5,000円〜29,000円です。
安いものは5,000円で購入でき、高いものは29,000円の価格で販売されています。インチ数が上がれば価格も高くなるため、ものによっては価格差が大きいです。
15インチの価格
15インチのオールシーズンタイヤは、6,000円〜15,000円程の価格で販売されています。中でも、クムホで販売しているオールシーズンタイヤは比較的安価です。
一方でTOYO TIRE、DUNLOPなどで販売しているタイヤについては、比較的高値で販売されています。
16インチの価格
16インチのオールシーズンタイヤは、8,000円〜18,000円程の価格で販売されています。
ホイール無しであれば安価で購入することが可能ですが、ほとんどがホイールありで販売されているため、そこまで安い価格で購入することはできません。
ホイール無しを購入する場合、ホイールありのタイヤを購入するよりも割高になってしまう可能性もあるので注意しましょう。
17インチの価格
17インチは10,000円〜20,000円の相場で販売されています。
安いものはクムホで販売しているオールシーズンタイヤです。10,000円〜14,000円ほどで購入できるため、比較的安価で購入できます。
DUNLOPとGOODYEARは比較的高価で販売されていますが、高い性能を持っているため安全面では非常に優秀です。
17インチはタイヤサイズも大きくなるので、技術力に長けているメーカーや、認知度の高いメーカーが高値で販売している傾向にあります。
18インチの価格
18インチのオールシーズンタイヤは、14,000円〜24,000円が相場となっています。こちらもクムホのタイヤが比較的安く販売されており、14,000円〜17,000円で購入することが可能です。
DUNLOPは21,500円〜23,500円ほどで販売されています。価格を抑えたいのであればクムホ、高性能のタイヤを求めるのであれば高額にはなりますがDUNLOPのタイヤがおすすめです。
4本セットの価格
4本セットの価格は、18,600円〜380,000円がおおよその相場です。価格差がかなりあるため参考になりにくいかもしれませんが、インチ数によって価格が大きく変わります。
また、ネットの普及によって自由に価格を設定し、販売することも簡単に行えるようになりました。そのため、各販売店やメーカーによって同じインチ数でも価格が異なる場合があるのです。
高性能を売りにして高値で販売することで、ブランド化をしているメーカーもあります。そのため、極端に高額で販売している場合もあることを理解しておきましょう。
オールシーズンタイヤを検討する際の注意点

オールシーズンタイヤを検討する場合、注意するポイントは以下の2つです。
- 住んでいる環境を考える
- 今後車を購入する予定があるか
オールシーズンタイヤを検討する場合、現在住んでいる環境を把握しましょう。オールシーズンタイヤは、一部の性能面で夏用(冬用)タイヤよりも劣ります。
そのため冬期間の積雪がある地域では、オールシーズンタイヤは向かない場合があるのです。スタッドレスタイヤの方がグリップ力が強いので、オールシーズンタイヤでは不安が残ります。
また、今後車を購入する予定がある場合、インチ数が変わる場合があります。車を新しく買い替える場合、その車に合うインチ数のタイヤを購入しなければいけない可能性があるのです。
このように、オールシーズンタイヤを検討する場合は、住んでいる環境と今後の車の購入の予定などについて、しっかりと考えましょう。
オールシーズンタイヤは一年を通して履ける便利なタイヤ
オールシーズンタイヤは、一年を通して履けるので大変便利です。タイヤ交換の手間がかからず、置き場所にも苦労しないなどのメリットがあります。
しかし、本格的な夏用(冬用)タイヤと比べると、性能面で劣るというデメリットもあることを理解しておきましょう。
オールシーズンタイヤの価格は、インチ数で大きく変化します。また、高性能でブランド力がある製品は高値で販売されており、価格差が大きいのが現状です。
オールシーズンタイヤを検討する場合は、現在住んでいる環境や今後車を買い替える予定がないかなど、しっかりと考えて購入するようにしましょう。