スタッドレスタイヤ選び方のポイント!おすすめタイヤ5選も紹介

スタッドレスタイヤ選び方のポイント

冬の道路を安全に走行するために、スタッドレスタイヤは必需品です。雪の多い地域以外でも凍結に備えて交換しておくことがおすすめですが、どのようなタイヤを選べばよいのか悩んでしまうこともあるかもしれません。

この記事では、スタッドレスタイヤについて基本的な性能や選び方のポイントを解説します。おすすめのタイヤや注意点についてもまとめているので、買い替えを検討している人はぜひ参考にしてください。

目次

スタッドレスタイヤの主な性能

スタッドレスタイヤの主な性能

スタッドレスタイヤとは、雪道や凍結路面でも滑りにくいタイヤのことです。サマータイヤに比べて柔軟性のあるゴムが使用されており、雪や氷の上でも密着しやすくグリップ力を発揮します。また、雪をしっかりつかむためにタイヤの溝は深く、太く彫られていたり、スリップを防ぐためにサイプ(細かな切れ込み)が多く入っていたりするのも特徴です。

以上の特徴により、スタッドレスタイヤには主に「氷上性能」「雪上性能」「ドライ&ウェット性能」が備わっています。詳しく解説していきましょう。

氷上性能

氷上性能とは、アイスバーン(凍結路面)などでも横滑りしないようなグリップ力や制動力のことを指します。排水性の高いトレッドパターンが採用されていたり、低温でも硬くなりにくいゴムを使用したりして、タイヤが路面に密着しやすく滑りにくい設計になっています。

雪上性能

雪上性能とは、積雪路面や圧雪された路面、シャーベット状になっている路面で安定して走行できる性能を指します。トレッドパターンや溝の深さ、多方向のエッジなどによるひっかき性能の高さが重要になります。タイヤは幅広よりもやや細身のほうがグリップ力を引き出しやすいでしょう。

ドライ&ウェット性能

スタッドレスタイヤは、冬に使用するからといって雪道ばかりを走るわけではありません。雪道や凍結路面での性能はもちろんのこと、乾燥した路面(ドライ)や雨で濡れた路面(ウェット)でも安定して走行できる性能が求められます。

スタッドレスタイヤは雪上や氷上の走行に適した設計であるため、ドライ路面やウェット路面ではサマータイヤと同じように走行することが難しいといわれていました。しかし、最近のスタッドレスタイヤはこのような条件下でも優れた性能を発揮できるよう設計されているものも多くあります。

スタッドレスタイヤの選び方

スタッドレスタイヤの選び方

スタッドレスタイヤを選ぶ際には、「どのような路面を走ることが多いのか」という点に注目し、道路状況に合った性能に強いタイプのものを選ぶことがおすすめです。具体的に解説していきましょう。

積雪の多い地域を走るとき

積雪が多い地域でのスタッドレスタイヤ選びでは、雪上性能を重視するとよいでしょう。新雪のある路面や圧雪された路面を頻繁に走行する場合は、トレッドパターンが深く、雪をしっかりつかむタイヤを選ぶのが理想的です。また、タイヤのサイドウォールが強化されている製品を選ぶことで、雪道での安定性が向上します。

凍結の多い地域を走るとき

凍結路面が多い地域では、氷上性能が重要です。タイヤと路面との間にできる水の膜を取り除く「排水機能」が高いものを選びましょう。圧雪された路面でも氷上性能が重要です。また、ゴムの柔らかさも路面との密着度を高めてくれます。

雪道を走る機会が少ないとき

雪道を走る機会が少ない地域では、性能のバランスが取れたタイヤを選ぶことが大切です。ドライやウェット性能がしっかりしているタイプであれば、乾燥した道路や雨の日でも安定した走行が可能です。たまにしか雪道を走らない場合でも、万が一のため氷上性能も備えたタイヤを選ぶとよいでしょう。

スタッドレスタイヤを選ぶときに知っておきたいポイント

スタッドレスタイヤを選ぶときに知っておきたいポイント

スタッドレスタイヤは性能で選ぶことはもちろん、予算内の価格であるか、車種に合ったものかどうかなどもチェックしておきたいものです。知っておきたいポイントを紹介しましょう。

新品か中古かで選ぶ

雪の少ない地域であったり、車を利用することが少なかったりすると、価格を抑えるために中古のスタッドレスタイヤを検討することもあるかもしれません。新品のタイヤは、最新技術が搭載され性能が優れている一方で、価格が高い傾向にあります。一方で、中古タイヤは価格が安くなりますが、摩耗や劣化が進んでいる可能性があることを覚えておきましょう。

スタッドレスタイヤは、たとえ未使用でも4~5年経つとゴムが劣化するといわれています。適切な環境で保管されていてもタイヤ自体の経年劣化は避けられないので、中古で価格が安いからといって、必ずしもコストパフォーマンスがよいわけではない可能性もあります。

ただ、製造から1年程度の未使用の製品であれば、劣化もさほど進んでおらず、安心して使用できるといってよいでしょう。製造から年数が経っている場合は、タイヤの溝を確認したり、ゴムが硬くなっていないか硬度を測定したりして、タイヤの状態を確認することがおすすめです。

ホイールセットか単品かで選ぶ

ホイールセットで買うか、タイヤ単品で購入するかも知っておきたい点の一つです。ホイールセットの場合、初回のコストはかかるものの、タイヤ交換がスムーズに行えるというメリットがあります。単品購入では、既存のホイールを再利用できるため、コストを抑えることが可能です。ただし、タイヤ交換の手間や時間はかかってしまいます。

単品で購入するよりホイールセットでの購入のほうが割安になることも多いので、ホイールはついていたほうが便利といえるでしょう。

車種やサイズに合ったタイヤを選ぶ

タイヤサイズに合ったスタッドレスタイヤを選ぶことは基本的なポイントです。タイヤのサイズや幅、扁平率などは、サマータイヤと同じサイズやメーカーの推奨するサイズに従って選びましょう。

また、車種に合わせて選ぶことで、より快適な走りを実現できます。例えば、SUVであればSUV用に開発されたスタッドレスタイヤがおすすめです。車重が重く、重心が高いSUVでも安定して氷上を走れる工夫が施されているなどの特徴があります。

スタッドレスタイヤとチェーンの違い

スタッドレスタイヤとチェーンの違い

冬の道路を走行するための道具として、チェーンを挙げる人もいるでしょう。また、チェーンがあればスタッドレスタイヤは不要なのでは、と考える人もいるかもしれません。ここでは、スタッドレスタイヤとチェーンの違いを見ていきます。

チェーンの特徴

タイヤチェーンは、タイヤに直接装着することで、積雪路面や凍結路面での走行不能を助けるものです。あくまで、走行不能になってしまったときなどの緊急時に使用するものとして考えておきましょう。

高速道路などで「冬用タイヤ規制」「チェーン規制」がかかったとき、チェーンをつけることで対応できます。ただし、チェーン規制ではスタッドレスタイヤにチェーンを装着しなければなりません。

ふだんの雪道相応や長距離の走行には、スタッドレスタイヤを使用するのが一般的です。チェーンは、サマータイヤで走行時に突然雪道を運転しなければならないときや、スタッドレスタイヤを装着していてもチェーン規制が出たときなどに使用するもの、と考えておきましょう。

チェーンのメリット・デメリット

チェーンのメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット・価格が安い・取り付けの手間が少ない・持ち運びや保管がラク

チェーンは、スタッドレスタイヤに比べて安価で購入できます。数千円~の値段で販売されているものも多くあります。また、必要なときにすぐに取り付けられるので、タイヤ交換に比べて手間が少ないといえるでしょう。場所を取らないので、持ち運びや保管の利便性が高い点もメリットです。

デメリット・乗り心地が悪くなる・燃費が悪くなる・こまめに脱着しなければならない

チェーンを装着したタイヤで走行すると、走行音が大きくなり、振動も激しくなるので乗り心地が悪くなります。スピードが出せなくなるのも難点です。このような理由から、燃費も著しく悪くなります。

また、チェーンは一時的に使用することが前提なので、こまめに脱着しなければなりません。寒い路上での取り付け・取り外しの作業はデメリットといえるでしょう。

スタッドレスタイヤおすすめ5選

スタッドレスタイヤおすすめ5選

スタッドレスタイヤのおすすめを5選、紹介します。それぞれの性能を確認し、自分に合ったタイヤ選びの参考にしてください。

ブリヂストン ブリザックVRX3

ブリヂストンの「ブリザックVRX3」は、氷上性能と雪上性能に優れ、バランスの取れたタイヤです。とくに、VRX3は従来品より氷上での制動性が20%向上しています。また、性能の高さを長期間保つこだわりがあるのも特徴です。耐摩耗性を向上させているほか、独自の素材を使用していることによって、ゴムの硬化を防ぐ工夫がされています。

ヨコハマ iceGUARD 7 iG70

ヨコハマの「iceGUARD 7 iG70」は、氷上での強力なグリップ力に定評のあるタイヤです。「ウルトラ吸水ゴム」を使用し、氷上での吸水を瞬時に行いグリップ力を高めています。また、従来品より氷上加速や雪上発進も向上しており、冬季全般の走行に信頼できる性能を持っています。

ミシュラン X-ICE SNOW

ミシュランの「X-ICE SNOW」は、フランスのメーカーですが、日本国内の冬季の路面条件にも対応しているタイヤです。氷上性能、雪上性能が高いのはもちろん、ドライ路面での安定感が高いのはヨーロッパのメーカーならではといえるでしょう。新コンパウンドの採用により、長く使用できるのも特徴です。

ダンロップ WINTER MAXX 03

ダンロップの「WINTER MAXX 03」は、バランスの取れた性能を持ち、とくに氷上性能とドライ&ウェット性能に優れています。微細な凹凸構造のあるゴムを採用していることにより、滑りやすい路面でも確かなグリップ力を発揮しています。摩耗しても性能を持続させる、高い耐久性を備えている点も特徴です。

トーヨータイヤ TRANPATH mp7

トーヨータイヤの「TRANPATH mp7」は、ミニバン専用に設計されたタイヤです。雪道や凍結路面での安定感、ドライ&ウェット性能が高いことに加え、ミニバン特有のふらつきを軽減させる仕様であるのも特徴です。また、低騒音設計により、快適な乗り心地を叶えてくれます。

スタッドレスタイヤに関する注意点

スタッドレスタイヤに関する注意点

スタッドレスタイヤを使用するにあたり、注意しておきたい点をまとめました。

夏場には使用しない

スタッドレスタイヤは冬季専用のタイヤです。夏場に使用するとゴムに負荷がかかり、摩耗が早まります。また、スタッドレスタイヤはサマータイヤに比べて、ロードノイズが大きかったりブレーキ性能が悪かったりと運転にも支障が出る場合があります。降雪や凍結のおそれがなくなったら、サマータイヤやオールシーズンタイヤに交換しましょう。

適切に保管する

スタッドレスタイヤは、適切に保管することで長い期間使用できることもあります。保管は、直射日光や湿気を避け、風通しのよい屋内がおすすめです。庭やベランダなど、屋外で保管する場合は専用カバーをかけましょう。タイヤを置くときは、ホイールがついていれば横置き、ついていなければ縦置きにするとタイヤへの負担が少なくて済みます。

タイヤの寿命を把握しておく

スタッドレスタイヤの寿命は通常3〜4年といわれています。タイヤの製造年を確認し、おおよその寿命を把握しておきましょう。また、走行距離や使用状況によっても異なってきます。溝の深さに余裕があるか、タイヤ表面に傷やひび割れがないかなど、定期的に点検を行い、確認しておくと安心です。

スタッドレスタイヤの選び方を知っておこう

スタッドレスタイヤの主な性能から、選び方のポイント、おすすめのタイヤを紹介しました。スタッドレスタイヤを選ぶ際は、走行する場面を想定し、性能に着目して選びましょう。また、価格やタイヤ交換の手間などを考慮し、中古品やホイールセットを検討することもおすすめです。

スタッドレスタイヤは冬の運転に欠かせないアイテムです。自分の車や走行環境に合ったタイヤを選び、安全で快適な冬のドライブを楽しみましょう。

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