ピレリのタイヤ「パワジー」とは?特徴から価格・性能まで徹底解説

ピレリ パワジー

昔に比べて現代では、タイヤメーカーは数多く存在しています。その中でも、「ピレリ」というメーカーを知っていますか。

ピレリはイタリアに拠点を置くタイヤメーカーで、1872年に創業して以降、150年以上続いている老舗企業です。タイヤ事業は130年以上継続しており、非常に長い歴史を持っています。

この記事では、ピレリで2022年から販売している「パワジー」というタイヤについて解説していきます。特徴、価格、性能など、「パワジー」の魅力について網羅的に解説していますので、購入の検討などに役立ててみてください。

目次

実は市場シェアが高いピレリタイヤ

実は市場シェアが高いピレリタイヤ

老舗タイヤメーカーである「ピレリ」ですが、実は世界の市場シェアが高いです。世界規模でのピレリのシェア率は6位と、上位にランクインしています。

首位にはブリヂストン、ミシュラン、グッドイヤーなどの誰もが知っているタイヤメーカーがランクイン。その中でも世界6位のシェア率を誇っている背景には、老舗メーカーとしての信頼性の高さがあります。

タイヤ市場シェア率上位10社には、以下のような企業があります。

順位企業名シェア率
1Bridgestone(ブリジストン)18.6%
2Michelin(ミシュラン)18.3%
3The Goodyear Tire And Rubber Company(グッドイヤー)11%
4Continental(コンチネンタル)9%
5Sumitomo Rubber(住友ゴム工業)4.6%
6Pirelli(ピレリ)4.29%
7Hankook tire(ハンコック)4.27%
8The Yokohama Rubber(横浜ゴム)4%
9ZC Rubber(杭州中策)2.7%
10Toyo Tire(トーヨータイヤ)2.3%

出典:タイヤ業界の市場シェアの分析(deallab)

ピレリのタイヤ「パワジー」とは?

ピレリのタイヤ「パワジー」とは?

ピレリの売れ筋タイヤの一つに「パワジー」というタイヤがあります。世界シェア6位を誇るタイヤの特徴は、一体どのようなものなのでしょうか。生産国、価格、寿命など詳しく解説していきます。

パワジーの特徴

パワジーの特徴は「高いブレーキング性能」です。路面が濡れている時などでもしっかりと止まるため、ドライバーのハンドリングを繊細にアシストできます。

悪天候のみならず、ぬかるんだ地面や砂利道などの悪路走行でも、高いパフォーマンスを発揮するタイヤです。大雨走行時に多い「ハイドロプレーニング現象」が発生するリスクを抑え、快適で安全な運転をサポートします。

パワジーのもう一つの特徴は、全サイズ「エコタイヤ」に登録されているという点です。エコタイヤとは、その名の通り環境に優しい「エコなタイヤ」のこと。履いて走るだけで車の排出ガスを低減できます。

エコタイヤの特徴は、タイヤの「転がり耐性」を減らすことでスムーズに転がるように設計されていることです。タイヤの溝が深い、重量が軽い、ゴムが変形しにくいなどの特徴があります。

パワジーにはこのような特徴があります。安全で快適な運転をサポートするタイヤとして、世界中の多くの人から支持されているのです。

パワジーの生産国は中国が主流

パワジーの主な生産国は中国です。一昔前の中国産の製品は、タイヤに限らず品質が不充分のものが少なくありませんでした。

しかし、最近では大企業が厳格な審査基準を用いて、製品を製造している事例も多いです。

中国で生産するメリットとして、生産コストを抑えることが挙げられます。現地でタイヤを製造する材料を調達し、流動的に生産することで安定的にタイヤを供給することが可能です。

同じサイズで他メーカーと比較すると、ピレリのパワジーが6,000円で販売されているのに対して、「ヨコハマタイヤ」や「ブリヂストン」では8,000円〜10,000円ほどの価格で販売されています。

ピレリは高品質の製品を安定的に生産するために、何度もドライブテストを行っています。中国で作られているからといって、品質が不充分なわけではありません。厳格な品質基準のもと、厳しい条件をクリアしたタイヤのみ製品として販売されています。

このようにパワジーは、コストを抑えて高品質なタイヤを生産することが可能なのです。

パワジーの価格

パワジーでは、15〜21インチのサイズが販売されています。価格はオープンプライスで販売されているため、小売店によって多少の価格変動はあるようです。サイズ別の大体の相場は以下のようになります。

サイズ(インチ)価格(円)
155,200~7,500
167,800~12,300
179,400~12,500
1812,300~16,000
1915,400~23,000
2017,000~22,500
21~34,000

タイヤは、インチ数の他にも「タイヤ幅」「扁平率」「荷重指数」などでも種類が異なります。そのため、同じインチ数でも価格に幅が出てしまうのです。

それに加えてパワジーは、「オープンプライス」で販売されています。小売店ごとに価格を自由に設定して販売しても良いことになっているのです。

そのような理由から、上記の価格表のように同じインチ数でも店舗によって販売価格が異なります。購入を検討している場合は、そのような事情も理解しておきましょう。

パワジーの寿命

パワジーの寿命は3〜5年と推定できます。2022年に販売が開始されたため、そこまではっきりとした情報が少ないのが現状です。

ユーザーからの口コミや、公式HPなどの情報から推察すると3〜5年が妥当でしょう。タイヤの寿命は、運転する人によって大きく変わります。

スピードを出す人、カーブでインコースを攻める人、ブレーキをきつくかける人。このように誰しもが「運転のクセ」を持っているものです。そのため、一概に寿命は何年とは言いにくいということをまず理解しておきましょう。

以下の表は、タイヤの部分別の寿命目安になります。計画的にタイヤの買い替えを検討しておきましょう。

名称寿命目安
ショルダー(タイヤの角)1~2年
サイドウォール(タイヤ側面)3~4年
トレッド(地面との接地面)5年~

SUV・ミニバン・セダンにはパワジーがおすすめ

パワジーがおすすめな車種は、SUV・ミニバン・セダンです。高いブレーキング性能に優れているパワジーは、「悪路走行」「長距離走行」「複数人での乗車」などの車に向いています。タイヤの「転がり耐性」を減らすことで、スムーズな加速と安定した走りを堪能することが可能です。

SUVは、雪道や山道の走行も得意としています。力強い加速力が特徴的な車種のため、スリップしないようにタイヤが地面をしっかりと捉えて走る性能が必要です。パワジーは高いグリップ性能があるため、SUVに適しています。

また、複数人を乗せて走ることが多いミニバンでは、車両重量が重くなることで燃費が悪くなることがあります。「転がり耐性」が少ないパワジーは、ミニバンにおすすめです。

長距離走行が走りやすいセダンでも、燃費をいっそう向上させられます。

ピレリと他のメーカーの価格比

ピレリと他のメーカーの価格比

ピレリのタイヤを他のメーカーと比較すると、安価で購入しやすいです。しかし、オープン価格であるため、販売店によっては高額で販売されているケースもあります。他社と比較してどのくらい金額に差があるのか見ていきましょう。

売れ筋サイズ「165/55R15 75V」は他社と比較して経済的

数あるサイズの中でも、とくに売れているサイズは「165/55R15 75V」です。サイズの見方については後ほど解説します。

売れ筋である15インチは、オープン価格となっているため店舗ごとで価格は異なります。大体の相場だと5,200〜7,500円くらいで購入が可能です。

世界的シェア率が高い「ブリヂストン」「ミシュラン」では、15インチ6,500〜12,000円程度の価格で販売されています。

このように「パワジー」は、ほかのメーカーよりもリーズナブルな価格で購入しやすいため、多くの人から人気を集めているのです。

車に合った適正なサイズを選ぼう

車に合った適正なサイズを選ぼう

車にはそれぞれ、最適なタイヤサイズがあります。今自分が乗っている車、これから購入しようとしている車のタイヤサイズがいくつなのか、しっかりと把握しておきましょう。ところで、タイヤのサイズ表記の見方を知っていますか。

タイヤには「特別な表記」でサイズが書かれているため、意外としっかり理解している人は少ないはず。

次項では、タイヤのサイズの見方について解説していきます。これを機に、タイヤのサイズの見方をしっかりと理解しておきましょう。

タイヤサイズの見方

「165/55R15 75V」タイヤにこのような表記が書かれているのを見たことがないでしょうか。それぞれどのような意味を表しているのか、わかりやすく解説していきます。

「165」と書かれているのは、タイヤの幅を表しています。単位は「mm(ミリメートル)」です。タイヤを立てて、真上から見た時の幅を表しています。

「55」とは、扁平率(へんぺいりつ)のことです。扁平率とは、タイヤ幅に対する高さの割合を意味しています。単位は「%」で、この場合は扁平率「55%」となります。

「R」はタイヤの構造です。「ラジアル構造(R)」を意味しています。「バイアス構造(B)」と記載されていることもあるので覚えておきましょう。

ラジアル構造は、タイヤの骨格となる部分(カーカスコード)が直線で作られています。バイアス構造は、タイヤの骨格となる部分(カーカスコード)が斜めに作られています。タイヤには2つの構造があることを理解しておきましょう。

「15」は取り付けるホイールの直径のことです。「インチ数」とも呼びます。「75」は「ロードインデックス」といい、タイヤ1本で支えられる最大負荷能力のことです。数字ごとに耐えられる重量が決められており、75の場合は「387kg」まで耐えられます。

「V」は速度記号です。規定の条件下でタイヤが耐えられる速度を、アルファベット1文字で表しています。Vの場合は「240km」まで耐えることが可能です。

以上がタイヤサイズの見方になります。少しわかりにくいかもしれませんが、理解すれば簡単なので、参考にしてください。

ピレリのタイヤ「パワジー」の売れ筋は「165/55R15 75V」

ピレリのタイヤ「パワジー」の売れ筋は「165/55R15 75V」

パワジーの売れ筋サイズは「165/55R15 75V」です。タイヤ幅が165cmで15インチのタイヤが、多くのシェア率を誇っています。その背景として考えられるのは、軽自動車や乗用車の大幅な普及です。

とくに日本では道が細いところが多いので、車幅が大きい車よりもコンパクトな軽自動車や4〜5人乗りの乗用車などが好まれます。そのような車のほとんどが、15インチのタイヤサイズに適合するのです。

軽自動車や乗用車は、雪道やぬかりやすい道などのような「悪路」での走行を得意としていません。そのため、タイヤはブレーキの効き目が良いものを選ぶ傾向があります。パワジーは、高いブレーキング性能が特徴なので、軽自動車や乗用車の短所を補えるのです。

また、「エコタイヤ」に登録されているので、燃費性能の向上の効果も期待できます。そのような背景から、「165/55R15 75V」のサイズのパワジーは人気となっているのです。

安全に乗るための「適正空気圧」

安全に乗るための「適正空気圧」

安全に車に乗るためには、タイヤ装着時にしっかりと点検することが重要です。その中でも、タイヤの空気圧は重要な点検項目となっています。

適正なタイヤの空気圧はどのくらいなのでしょうか。また、空気圧が適正値でない場合に起こるトラブルは、どのようなものがあるのでしょうか。

それぞれ解説していきます。

パワジーの適正空気圧

実は、タイヤの適正空気圧は「車によって異なる」のです。車によって車体重量や最高速度が異なるため、タイヤの空気圧はかならずしも一定ではありません。そのため、これからタイヤを装着しようとしている車の適正空気圧をチェックしておきましょう。

車によって変わりますが、ほとんどの場合は運転席側のドアを開けると適正空気圧を確認できます。あくまでもタイヤごとに空気圧が決まっているわけではないので、車の適正空気圧を正確に把握して装着するようにしましょう。

空気圧が適正ではない時に起こるトラブル

では、もし適正な空気圧ではなかった場合どのようなトラブルが起こるのか解説していきます。

空気圧過多の場合

タイヤの空気圧が多過ぎた場合に起こるトラブルは、以下の3つが挙げられます。

  1. タイヤの寿命が縮む
  2. 障害物を踏んだ時の衝撃が大きい
  3. 乗り心地の悪化

タイヤの空気圧過多の場合は、正常値よりも大幅に空気が入っている状態です。そのため、地面に障害物があると通常よりも大きな衝撃を受けてしまいます。その結果、タイヤの寿命が縮むリスクがあるのです。

また、地面から受ける衝撃が車内にも大きく伝わるため、乗り心地も悪化します。

駐車時などの「小回り」が必要な際には、タイヤがスリップしやすいので注意しましょう。

空気圧不足の場合

タイヤの空気圧が低い場合に起こるトラブルは、以下の3つが挙げられます。

  1. 燃費の悪化
  2. ハイドロプレーニング現象の発生率が上がる
  3. タイヤがバースト(破裂)する可能性がある

タイヤの空気圧が不足している場合、一番起こりやすいトラブルは「燃費の悪化」です。

タイヤの空気圧が不足していると、車は大きなエネルギーを消費します。なぜなら、タイヤと地面の接地面積が大きくなるためです。摩擦が大きくなり、タイヤは転がりにくくなります。

その結果、タイヤが変形しやすくなり、部分的な劣化も起こりやすくなるのです。最終的には、タイヤ自体がバースト(破裂)してしまうこともあるので注意しましょう。

また、雨天走行時の「ハイドロプレーニング現象」も起こりやすくなるので注意が必要です。タイヤの空気圧が不足している場合、条件が悪ければ大事故につながる可能性もあります。とくに長期走行時などは、しっかりと点検をしてから走るようにしましょう。

ピレリのパワジーを試してみよう

この記事では、2022年に販売されたタイヤ、ピレリの「パワジー」について特徴、価格、性能、寿命、生産国などを解説してきました。

数多くあるタイヤメーカーの中でも、ピレリは150年以上続いている老舗企業です。イタリアを拠点として1872年に創業して以降、世界各国でタイヤを生産しています。シェア率も世界6位と、多くの人から支持されているメーカーです。

2022年から販売されているので、まだ詳細な口コミは多くありません。ですが、ユーザーからの声は高評価なものが多いです。価格もリーズナブルで品質も良いため、コスパに優れているタイヤとしてユーザーの間では知られています。

タイヤを購入検討している方は、この機会にピレリのパワジーを試してみてはいかがでしょうか。

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