タイヤサイズの見方は?サイズ変更の注意点や適合の調べ方も

愛車のカスタマイズとしてタイヤのインチアップをしたいとき、タイヤサイズを正しく読み取ることが大事です。タイヤにはさまざまな表記がしてありますが、見方を知ってしまえば簡単にサイズが調べられます。
この記事では、タイヤサイズの見方をわかりやすく解説します。インチアップでタイヤをサイズ変更する際の注意点なども紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
タイヤサイズの見方

タイヤのサイズは、アルファベットと数字を用いてタイヤのサイドウォール(側面)に刻印されており、次のように表記されています。
- 195/65R15 91H
- 225/45R17 94W
- 205/55R16 89V
これらは「タイヤ幅/扁平率 R(タイヤ構造) リム径 ロードインデックス 速度記号」という対応になっています。また、前後にほかの表記が追加されていることもあります。一つずつ解説していきましょう。
タイヤ幅
タイヤ幅とは、タイヤの断面幅のことです。リムガードや、サイドウォールの文字・模様などは含まず、タイヤが路面と接する幅を指すといってもよいでしょう。多くの場合はISO規格のmm(ミリメートル)で表示されていますが、種類によってはインチで表示されていることもあります。
扁平率
タイヤの扁平率はアスペクト比ともいい、タイヤのサイドウォールの高さ(横断面の高さ)がタイヤの幅に対してどれくらいの割合であるかを示す数値です。具体的には、次のように計算できます。
扁平率=タイヤの高さ÷タイヤ幅×100
たとえば、タイヤサイズが 195/65R15 の場合、扁平率は 65 です。この場合、タイヤの高さはタイヤの幅の65%であることを意味します。一般的な乗用車のタイヤに採用されている扁平率は55%~65%が多いようです。厚めのタイヤは扁平率が大きくなり、反対に薄めのタイヤは扁平率が小さくなります。
数字が45、40など、扁平率が小さいタイヤはタイヤの高さが低く、見た目がスタイリッシュになる反面、硬い乗り心地であることが多い傾向にあります。一方、数字が70、75など、扁平率が高いタイヤはタイヤの高さが高く、乗り心地は快適になるという特徴があるといえるでしょう。
タイヤ構造
Rは「ラジアルタイヤ」であることを示し、タイヤの構造がラジアル手法であることを指しています。現在は乗用車用タイヤのほとんどがラジアル構造を用いたラジアルタイヤなので、あまり気にしなくてもよいでしょう。
リム径
リムとはホイールの外側部分を指し、タイヤをはめ込む部分のことを意味します。リム径とはホイールの直径であり、タイヤの内径を指すと考えてよいでしょう。ホイールの大きさを選ぶ際にも確認が必要な部分になります。
単位はインチです。1インチは25.4mmであり、10インチで25cm程度、15インチで38cm程度、と覚えておくのもよいかもしれません。
ロードインデックス
ロードインデックスとは負荷指数ともいい、タイヤ1本あたりが指定された空気圧でどれだけの負荷に耐えられるかを示します。ロードインデックスの数値が大きいほど、タイヤが支えることができる負荷も大きくなります。
以下はロードインデックスの一部例を示したものです。
ロードインデックス | 最大負荷 (kg) |
85 | 515 |
88 | 560 |
91 | 615 |
94 | 670 |
97 | 730 |
たとえば、タイヤサイズ 225/45R17 94W のタイヤは、ロードインデックスが 94 なので、1本のタイヤあたり最大 670 kg の負荷能力があります。車両に装着される4本のタイヤがすべてこのロードインデックスである場合、670×4= 2680 kg と計算でき、2680kgまで安全に支えることができることを示しているのです。
車重を支えられないロードインデックスである場合、車検を通過できません。純正のタイヤよりロードインデックスが低いタイヤを装着する際には、そのタイヤが車重を支えられるかどうか確認が必要です。
ロードインデックスと負荷重量の対応は、タイヤの指定空気圧や規格によって異なるため、早見表などを参照するようにしましょう。
速度記号
速度記号はスピードレンジとも呼び、そのタイヤが既定の条件下で走行できる最高速度を示しています。主な速度記号の示す最高速度以下の通りです。
速度記号 | L | N | Q | S | T | H | V | W | Y |
最高速度(km/h) | 120 | 140 | 160 | 180 | 190 | 210 | 240 | 270 | 300 |
タイヤ外径
タイヤの外径とは、タイヤの全体の直径を指します。インチで示されており、4WD車のタイヤなどに多く採用されています。タイヤの外径は車両の走行性能、スピードメーターの精度、および全体的な車高に影響を与える要素といえるでしょう。
その他の表示
その他の表示には、主に以下のようなことが示されています。
- ランフラット表記
- ライトトラック規格
- ロードレンジ
- プライレーティング
ランフラット表記とは、「RF」と表記し、ランフラットタイヤであることを示しています。ランフラットタイヤは、パンクして空気圧がゼロになっても、一定の速度以下で一定の距離を走行できる構造を持っているタイヤです。スペアタイヤを積んでいない輸入車や高級車で多く採用されています。
ライトトラック規格とは、ライトトラック(LT)規格のタイヤであることを示します。一般的な乗用車用のタイヤより空気圧が高く、大きな負荷に耐えられるように設計されています。
ロードレンジはタイヤの強度や耐久性を示す記号です。タイヤの構造や使用する素材の違いによって異なり、一般的にはアルファベットや数字で表示されています。プライレーティングもタイヤの強度や耐荷重性能を示す指標です。貨物車での装着に義務付けられています。
主な軽自動車のタイヤサイズ一覧

主な軽自動車のタイヤサイズを一覧で紹介します。
通称名 | 15インチ | 14インチ | 13インチ |
N-BOX | 165/65R15 | 155/65R14 | 145/80R13 |
スペーシア | 155/65R14 | ||
タント | 155/65R14 | ||
ムーヴ | 155/65R14 | ||
ハスラー | 165/60R15 | ||
ワゴンR | 155/65R14 | ||
ルークス | 165/55R15 | 155/65R14 | |
ミラ | 155/65R14 | 145/80R13 | |
タフト | 165/65R15 | ||
アルト | 155/65R14 | 145/80R13 |
バイクのタイヤサイズの見方

バイクのタイヤも、乗用車のタイヤと同じように、サイドウォールに数字とアルファベットで記載されています。タイヤの幅、扁平率、リム径、ロードインデックス、速度記号の順に刻印されています。
インチアップとは?

タイヤのインチアップとは、タイヤの外径を変えずにホイールサイズ(リム径)を大きくすることです。ホイールが大きくなる分、タイヤの厚みが薄くなり扁平率を下げることを意味します。
インチアップのメリット・デメリット
インチアップをすることにはどのような意味があるのでしょうか。まず、インチアップのメリットは、次の点が挙げられます。
インチアップのメリット・見た目がスタイリッシュになる・コーナリング性能が向上する・グリップ性能が向上する |
まず、見た目がスタイリッシュになることは、インチアップをするメリットとしてわかりやすい点ではないでしょうか。ホイールを大きくすることでホイールの存在感が増し、分厚いタイヤの野暮ったさが軽減されます。
多くの車愛好家が、このようなドレスアップの目的でインチアップをしているといっても過言ではありません。ホイールで自分らしい車にカスタマイズできるうえ、洗練された印象になるのです。
性能面でもメリットがあります。インチアップをすることによりサイドウォールが短くなるため、タイヤのたわみが減少し剛性(固さの度合い)が上がります。これにより、タイヤの変形が少なくなるので、コーナーを曲がる際の安定感が増すのです。
また、グリップ性能の向上も期待できます。インチアップをするとタイヤの幅が広くなるため、路面との接地面積が増える分、グリップ性能がアップするのです。グリップ性能がアップすると、カーブ走行の安定感が増したり、ブレーキの効きがよくなったりします。
インチアップをすることにより、外観のかっこよさが手に入れられるだけでなく、走行性能もよくなるのです。
インチアップのデメリット・乗り心地が悪くなる・燃費が悪くなる・ロードノイズが大きくなる |
インチアップのデメリットとして、まず乗り心地が悪くなる可能性がある点が挙げられます。インチアップをするということはタイヤの厚みが薄くなるということなので、路面に対するクッション性が落ちることになります。路面からの衝撃を吸収しにくくなり、乗り心地が硬く、快適さがダウンする可能性があるのです。
燃費が悪くなる点もデメリットといえるでしょう。ホイールが大きくなると、ホイールもそれに対応するタイヤも重量が増すことが多く、その分燃費は悪くなります。また、タイヤ幅が大きくなることでハンドル操作にも負荷がかかり、エネルギーを消費しやすくなり燃費が落ちる傾向にあります。
タイヤ幅が大きいということは燃費の悪化だけでなく、ロードノイズにも関係するのです。路面のわずかな段差を拾いやすくなり、騒音が気になりやすくなるかもしれません。
インチアップによって走行の快適さが低下したり、燃費が悪くなり経済的なデメリットが発生したりすることを覚えておきましょう。
インチアップでサイズ変更する際の注意点

インチアップをするためにサイズを変更する際には、注意しておかなければならない点がいくつかあります。以下の点の確認を怠ると、事故につながってしまったり、車検に通らなくなってしまったりするなどの恐れがあります。一つずつ解説していきましょう。
タイヤの外径は変更しない
まず、インチアップの際にタイヤの外径は大きく変更しないようにしましょう。標準タイヤとまったく同じサイズのものがない場合、2~3mm程度のズレは構いませんが、車体からはみ出してしまったり、車体に接触してしまったりするようなサイズは危険です。
外径を大きくしてしまうと、車検を通過できないだけでなく、大きな事故や故障の原因にもなりかねないので気をつけましょう。
タイヤの外径サイズを計算するには
自分のタイヤの外径サイズがわからない場合、以下の計算式で求められます。
タイヤの外径=(タイヤの断面幅×扁平率)×2 +リム径 |
リム径の単位はインチで表示されているため、mmに変換して計算しましょう。1インチは25.4mmです。
インチアップサイズ一覧表
タイヤメーカーのサイトなどで、外径を変えずにインチアップするサイズを一覧表で確認できます。メーカーによってズレが生じることもあるので、あくまで目安として参考にし、専門店で確認してもらうことがおすすめです。
参考サイト:AUTOWAY(オートウェイ)公式サイト
ロードインデックスをチェックする
タイヤを変更する際、ロードインデックスの数値が標準タイヤと同等かそれ以上であるかどうか確認しましょう。ロードインデックスが標準タイヤの数値を下回るタイヤを装備してしまうと、車体を支えきれず事故につながる危険性があります。安定に走行するためにチェックしておきましょう。
メーター誤差の許容範囲を確認する
インチアップをしてタイヤの外径が変わると、タイヤが1周する距離が変わるため、実際の速度とスピードメーターの数値に誤差が生じる場合があります。メーターの誤差が大きく出てしまうと、車検が通らなくなることもあるので注意が必要です。
車のスピードメーターは、安全のために実測値よりやや大きい数値が表示される仕様になっています。つまり、メーター表示と実測値は一定の範囲内での誤差があるのです。
具体的には、スピードメーターが40kmの際に実速度が30.9km~42.55kmの範囲内であれば、車検を通過できます。この程度の誤差は許容範囲ということになりますが、サイズ変更の際は専門店に相談するほうが安心でしょう。
タイヤサイズの見方を確認して適切なタイヤを選ぼう
タイヤサイズの詳しい見方や、インチアップについてのメリット・デメリットや注意点を解説しました。タイヤのサイズは、一定のパターンで側面に刻印されており、見方に沿って読めば難しくありません。
インチアップは足元のドレスアップとして効果的ですが、デメリットや注意点もあるので把握しておきましょう。とくに、守らないと事故につながる点もあります。正しく理解して、適切なタイヤ、ホイールを選ぶようにしましょう。