タイヤの偏平率とは?計算式や低偏平のメリット・デメリットを徹底解説!

タイヤの偏平率は、見た目や走行性能、燃費性能に大きく影響する要素です。そこで本記事では、タイヤの偏平率の計算式や変える際の注意点を解説します。低偏平のメリット・デメリットもまとめてありますので、ぜひ参考にしてください。
タイヤの偏平率とは?

タイヤの偏平率とは、断面の幅に対する高さの割合です。ここでは、タイヤの偏平率の見方(確認方法)や計算式、変える方法(セイムリムまたはインチアップ・インチダウン)について詳しく解説します。
タイヤの偏平率の見方(確認方法)
タイヤのサイドウォールに表示されている数字から、偏平率を確認できます。たとえば上の写真のように「225/55R18」と表示されているタイヤの偏平率は「55」です。したがって、特別な計算をしなくても、タイヤの偏平率を読み取ることができます。
ちなみに「225/55R18」と表示されているタイヤは、ラジアル構造(R)でリム径が18inchです。以上の他にも、ロードインデックスや速度記号などがタイヤのサイドウォールに表示されています。タイヤサイズの見方については、以下の記事を併せてご覧ください。

タイヤの偏平率の計算式
タイヤの偏平率は、以下の計算式で求められます。
- 偏平率=断面の高さ÷幅×100
サイドウォールに表示されたタイヤの「偏平率」と「断面の幅」から、「高さ」を求めることができます。たとえば、「225/55R18」と表示されているタイヤの偏平率は「55%」で断面の幅は「225mm」ですので、高さは「123.75mm」(225mm×0.55)になります。
- 偏平率55%=断面の高さ123.75mm÷幅225mm×100
偏平率が小さくなるほどタイヤの幅に対して高さの割合が減っていくため、サイドウォールの薄いタイヤになります。
タイヤの偏平率を変える方法(セイムリムとインチアップ・インチダウン)
タイヤの偏平率を変える方法には、セイムリムとインチアップ・インチダウンがあります。
- セイムリム :リム径は変えずに、断面の幅を広げることで偏平率を下げる
- インチアップ:外径は変えずに、リム径を広げる(一般的には偏平率が低くなる)
- インチダウン:外径は変えずに、リム径を狭める(一般的には偏平率が高くなる)
たとえば、「205/55R16」から「215/50R16」のタイヤにすると、サイドウォールが5mmほど薄くなります。(※1)。
- 55=112.75mm÷205mm×100
- 50=107.50mm÷215mm×100
※1参照元:ブリヂストン「乗用車用ラジアル・タイヤサイズ対応表」(https://tire.bridgestone.co.jp/pdf/70-35.pdf)
タイヤの偏平率を変えるメリット・デメリット

タイヤの偏平率を変えることで、見た目や運動性能、乗り心地、燃費性能などに影響を与えます。
| タイヤの偏平率 | メリット | デメリット |
| 低くする(インチアップ) | ドレスアップの効果運動性能の向上 | 乗り心地の悪化燃費性能の低下 |
| 高くする(インチダウン) | 乗り心地の向上燃費性能の改善 | 落ち着いた見た目運動性能の低下 |
ここでは、偏平率を高くするメリット・デメリットと低くするメリット・デメリットについて詳しく解説します。
タイヤの偏平率を低くする(低偏平の)メリット・デメリット
タイヤの偏平率を低くするメリットとして、ドレスアップ効果と運動性能の向上を期待できます。
- ドレスアップ効果:サイドウォールが薄くなり、ホイールの面積が多くなるため
- 運動性能の向上 :ゴムが薄く、接地面積が増えて剛性やグリップ力が増すため
ただし、乗り心地の悪化と燃費性能の低下は、低偏平タイヤのデメリットです。
- 乗り心地の悪化:ゴムが薄くなるとクッション性が低くなり、走行音が増すため
- 燃費性能の低下:接地面積が広がり転がり抵抗が増すと、余分な燃料を消費するため
タイヤの偏平率を高くするメリット・デメリット
乗り心地の向上と燃費性能の改善は、タイヤの偏平率を高くするメリットです。
- 乗り心地の向上:ゴムが厚みが増して、段差や凸凹のある道でも衝撃を吸収できるため
- 燃費性能の改善:転がり抵抗が少なくなって、燃料の消費量が減るため
しかし、タイヤの偏平率を高くするとデメリットとして、落ち着いた見た目になり、運動性が低下します。
- 落ち着いた見た目:ホイールの面積が狭くなり、派手さがなくなるため
- 運動性能の低下 :ゴムの厚みと接地面積が増すとたわみが大きくなり、グリップ力が低くなるため
タイヤの偏平率を変える際の注意点

タイヤの偏平率を変える際は、安全性を確保して車検に合格するためにタイヤのロードインデックスや外径、フェンダーへの接触・はみ出しに注意してください。ここでは、それぞれの注意点について詳しく解説します。
純正タイヤのロードインデックス以上にする
タイヤの偏平率を変える際には、純正タイヤのロードインデックス以上にしてください。ロードインデックスとは、タイヤ1本が耐えられる最大負荷(kg)です。たとえば、ロードインデックスが「85」なら、515kgまで耐えられます。
一般的に、タイヤの偏平率を下げるとゴムの厚みが薄くなるため、負荷能力が低くなります。純正タイヤよりもロードインデックスの低いタイヤを装着すると、負荷能力が不足してバーストするリスクがあるのです。
ロードインデックスについては、以下の記事を併せてご覧ください。

タイヤの外径を変えない
偏平率を変えるときには、タイヤの外径を変えないように注意しましょう。
- タイヤの外径が変わると、スピードメーターの表示と実際の速度が大きくズレてしまう
- スピードメーターの表示は車検の項目に含まれており、許容範囲を超えると合格できない(※2)
対策方法として、純正タイヤと比べて±3%以内に外径を収めることで、スピードメーターの誤差を抑えられます。
フェンダーへの接触・フェンダーからのはみ出しをしない
偏平率を変える際には、タイヤの外径を大きくしすぎてフェンダーに接触したり、断面の幅を広げすぎてフェンダーからはみ出したりしないように注意してください。
- タイヤがフェンダーに接触すると、走行中に摩耗や異音を引き起こしてしまう
- タイヤのサイドウォールが基準値よりもフェンダーからはみ出していると、車検に合格できない(※3)
純正タイヤの外径と断面の幅を基準とすることが、偏平率を変える際には重要です。
タイヤの偏平率に関するよくある質問

タイヤの偏平率を変える際は、車検や走行性能、燃費、タイヤチェーンの装着などに関する疑問を抱くものです。ここでは、タイヤの偏平率に関するよくある質問を集め、回答をご紹介します。
タイヤの偏平率を変えても車検に通りますか?
はい、タイヤの偏平率を変えても、外径(スピードメーターの表示)や断面の幅、負荷能力などが基準を満たしていれば車検に通ります。
- 外径 :スピードメーターの表示に誤差がないか
- 断面の幅:フェンダーへの接触・フェンダーからのはみ出しがないか
- 負荷能力:純正タイヤと同等以上のロードインデックスがあるか
ドレスアップ効果や運動性能の向上を重視しすぎて、安全性を損なわないように気をつけてください。
タイヤの偏平率は走行性能と燃費性能に関係しますか?
はい、タイヤの偏平率を変えることで、走行性能と燃費性能に大きく影響します。
| タイヤの偏平率 | 走行性能 | 燃費性能 |
| 低くする(インチアップ) | 向上 | 低下 |
| 高くする(インチダウン) | 低下 | 向上 |
一般的には、タイヤの断面の幅が広がり、サイドウォールが薄くなると走行性能が向上しますが、燃費性能は低下します。インチアップの際は、ドレスアップ効果に加えて、走行性能と燃費性能も検討しましょう。
タイヤの偏平率を変えても同じタイヤチェーンを装着できますか?
いいえ、偏平率を大幅に変えると、同じタイヤチェーンを装着できない場合があります。タイヤチェーンによって、対応しているタイヤの外径や幅が異なるからです。
タイヤの偏平率を変える際は以下の情報をチェックして、タイヤチェーンの装着や交換を判断しましょう。
- タイヤサイズ(断面の幅と偏平率)
- クリアランス(フェンダーとタイヤの隙間)
- チェーンとタイヤの適合表
タイヤの偏平率に迷ったらプロに相談しよう
タイヤの偏平率を変えることで、ドレスアップ効果や走行性能・燃費性能の向上などを期待できます。ただし、不適切なタイヤを装着すると安全性の低下や車検の不合格を招きますので、偏平率について迷った際はプロに相談することが重要です。
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