スタッドレスタイヤの寿命は何年?交換時期のポイントや長持ちのコツ

スタッドレスタイヤの寿命は何年?

スタッドレスタイヤの寿命は何年か知っていますか。冬に備えてタイヤを履き替える際、今シーズンも使用してよいのか悩んだことがある人もいるのではないでしょうか。

スタッドレスタイヤの寿命は、使用状況や保管方法によって異なります。この記事では、交換時期の目安や長く使用するためのコツを紹介します。雪道を安全に走行するために、ぜひ参考にしてください。

スタッドレスタイヤの実際の寿命は?

スタッドレスタイヤの実際の寿命は?

スタッドレスタイヤの寿命は、使用環境やメンテナンス方法によって異なりますが、一般的な目安は存在します。耐久年数や走行距離による実際の寿命の目安を解説します。

耐久年数による寿命は3~4年が目安

スタッドレスタイヤは、およそ3〜4年が寿命といわれています。スタッドレスタイヤに使用されているゴムは低温でも柔軟性を保てる特殊な素材を含んでいますが、このゴムは年数を経ると硬化していき、スタッドレスタイヤ本来の性能が低下してしまいます。

また、3~4年というのは製造年月日からの年数を指すことを覚えておきましょう。実際の使用期間が短く、たとえ十分な溝が残っていたとしても、年数が経つだけでゴムが劣化するため、雪道やアイスバーンでの滑りやすさが増し、安全性に問題が生じる可能性があります。

スタッドレスタイヤの製造年月日の確認方法

スタッドレスタイヤの製造年月日は、タイヤのサイドウォール部分に刻印されている4桁の数字で確認できます。例えば「1924」であれば、「19」は19週目、「24」は2024年を表しており、2024年の19週目(5月5日〜5月11日)に製造されたことを示しているのです。

走行距離による寿命は1~1.5万㎞が目安

走行距離もスタッドレスタイヤの寿命の目安です。スタッドレスタイヤはタイヤの溝が5mm以下になると交換時期といわれています。一般的には、走行距離が1~1.5万km程度に達するとタイヤの溝が5mm程度まで減るので、寿命になるというわけです。

また、路面状況の悪い道路を頻繁に走行すると、タイヤの摩耗はさらに早まります。走行距離に応じて定期的にタイヤの状態をチェックし、摩耗が進んでいないかを確認することが重要です。

7年、10年経過したスタッドレスタイヤは?

製造年から7年以上経過したスタッドレスタイヤは、たとえ溝が十分残っていてもゴムの硬化が進んでいる可能性があります。雪上性能、氷上性能が保証できないので、使用は避けたほうがよいでしょう。

10年を超えたスタッドレスタイヤは、安全性の観点から使用は避けるべきといえます。新品でも交換するようにしましょう。スタッドレスタイヤは、安全を最優先に考え、年数が経過したものは早めに交換することがおすすめです。

スタッドレスタイヤの交換時期を判断するポイント

スタッドレスタイヤの交換時期を判断するポイント

スタッドレスタイヤの交換時期は、いくつかのポイントによって判断できます。タイヤの状態を定期的にチェックすることで、適切な交換のタイミングを見分けられるのです。以下の3つのポイントを押さえて、タイヤの状態を確認しましょう。

溝の深さをチェックする

タイヤの溝の深さは雪道やアイスバーンでのグリップ性能を左右するため、しっかり確認しておきましょう。一般的に、溝の深さが新品の半分程度まで摩耗すると交換時期だといわれています。例えば、新品の状態で10ミリの溝があった場合、5mm程度になるとそろそろ交換したほうがよいです。

スタッドレスタイヤには、溝の深さが半分程度になっていることを知らせるサインとして「プラットホーム」と呼ばれる突起があります。プラットホームは、タイヤ側面の「↑」の刻印の延長線上にあるブロックの間に配置されています。この突起がタイヤの表面に出ていたら、タイヤ交換の目安です。

100円玉を使ってチェックする方法

100円玉を使用して、タイヤの溝の深さを簡単にチェックすることもできます。100円玉を準備し、「100」の数字がタイヤに対して垂直になるように溝に差し込みます。このとき「1」の数字が見えた場合、残りの溝が約5mmであることを示しているので、タイヤ交換のタイミングが近いと判断してよいでしょう。

ゴムの硬度をチェックする

スタッドレスタイヤの寿命を判断するもう一つの重要なポイントが、ゴムの硬度です。タイヤのゴムは年数を経るごとに硬くなり、氷雪路でのグリップ力も低下します。ゴムが硬化するとスタッドレスタイヤとしての走行性能が低下し、スリップや制動距離に影響が出てきます。

タイヤの硬度を測定する際に使用するのが「硬度計」です。新品のタイヤの硬度は45以下であることが多く、60を超えると交換の目安であることを覚えておきましょう。硬度はガソリンスタンドやカー用品店で測定できるほか、ネット通販などで「硬度計」を購入することもできます。

ひび割れや傷をチェックする

タイヤの表面にひび割れや傷が見られる場合も、交換のサインです。とくに、ひび割れが深い場合や細かいひび割れがつながって大きくなっている場合、タイヤの内部にまでダメージが及んでいる可能性があります。このような状態で使用すると、走行中にバースト事故を起こす危険があるので注意が必要です。

また、偏摩耗(偏った摩耗)がないかどうかもチェックしましょう。偏摩耗があるとタイヤが地面と接する面積が減るため、ブレーキ性能などを正しく発揮できなくなってしまう可能性があります。定期的にタイヤの表面を確認し、異常が見られた場合は速やかに交換しましょう。

メーカーによるスタッドレスタイヤの寿命の違いは?

メーカーによるスタッドレスタイヤの寿命の違いは?

スタッドレスタイヤの寿命は、メーカーによって異なる場合があります。ここでは、代表的なタイヤメーカーのスタンドについて、寿命の違いや特徴などを見ていきます。

ブリヂストンのスタッドレスタイヤの寿命

ブリヂストンのスタッドレスタイヤは、通常3~4年が寿命とされています。スタッドレスタイヤ全般にいえるように、ゴムの硬化や摩耗により性能が低下します。タイヤの摩耗サインであるプラットホームが出てくる前に交換するようにしましょう。

長持ちするスタッドレスタイヤを探している人には、「ブリザック」のVRX3がおすすめです。メーカーによると、4年後も性能が落ちにくく、状態によっては4年以上使用することもできる可能性があるそう。

ブリヂストンのスタッドレスタイヤは、独自のゴム配合やトレッドパターンにより、氷上や雪上での優れた制動力と操縦安定性を持っているのが特徴です。低温下でも柔軟性を保てるよう設計されているので、凍結した路面でも安心して運転できます。

ヨコハマタイヤのスタッドレスタイヤの寿命

ヨコハマタイヤのスタッドレスタイヤも、一般的には3~4年が寿命とされています。使用頻度や走行環境によって変動しますが、タイヤの溝が5mmを下回ったら交換を検討しましょう。

また、「ice GUARD」の6シリーズ以降は、時間が経ってもゴムが硬くなりにくいウルトラ吸水ゴムを使用。柔らかさを保つオレンジオイルSを採用することにより、約4年後も高い性能をキープできるといわれています。

ヨコハマタイヤのスタッドレスタイヤは、独自の非対称パターンを採用していることや、接地面積とブロック剛性を増加させていることによって、高い氷上性能を誇っています。これにより、雪道や凍結路面でも安定した走行が可能になっているのです。

トーヨータイヤのスタッドレスタイヤの寿命

トーヨータイヤのスタッドレスタイヤも、寿命は基本的に3~4年とされています。タイヤの摩耗が進むと性能が低下し、氷雪路でのグリップ力は減少します。製造から5年以上経過するとゴムが硬化し、凍結路面での性能が大幅に落ちるため、摩耗にかかわらず交換がおすすめです。

トーヨータイヤでも、約4年後もブレーキ性能が低下しにくい「OBSERVE GIZ」シリーズがあります。「OBSERVE GIZ3」では、密着性を高める成分が配合された「密着長持ちゴム」がアイス性能を長く発揮。経年劣化が起きにくく、約4年後も高い性能を保持できるといわれています。

トーヨータイヤのスタッドレスタイヤは、独自のパターン設計や、「吸水効果」「密着効果」「ひっかき効果」に優れたゴムを使用しています。路面への密着性能を高め、制動性や操縦性を向上させているのが特徴です。

スタッドレスタイヤを長く使用するには?

スタッドレスタイヤを長く使用するには?

せっかく購入したスタッドレスタイヤは、できるだけ寿命を延ばし長く使用したいですよね。適切なメンテナンスを行うことで、より長い期間、安全に使用できます。ここでは、スタッドレスタイヤを長持ちさせるためのポイントを5つ紹介します。

定期的に点検する

タイヤは定期的に点検するようにしましょう。溝の深さ、ひび割れ、傷の有無、ゴムの硬さなどを定期的にチェックすることで、タイヤの状態を把握できます。とくに、溝の深さやひび割れなどは目視で確認できるので、こまめにチェックしておくことがおすすめです。

また、自分で行うだけでなく、専門のタイヤショップや車検の際にプロに見てもらうとより安心です。無料で点検してくれる場合も多いので、気軽に相談してみましょう。

空気圧を適切に保つ

スタッドレスタイヤの空気圧は、走行性能や耐久性に大きく影響します。空気圧が低下していると、タイヤが摩耗しやすくなり、寿命が短くなります。また、逆に空気圧が高い場合も、タイヤの接地面積が減少し、グリップ力の低下に影響するとされているのです。

適切な空気圧は、運転席のドアを開けた所、センターピラー部、給油口部などに貼られているラベルで確認可能です。空気圧は見た目ではわかりにくいので、月1回程度、ガソリンスタンドやカー用品店などで測定してもらいましょう。

タイヤをローテーションさせる

タイヤの位置を前後左右に入れ替えること(ローテーション)で、タイヤの摩耗が均一になり、長持ちさせることが可能です。ローテーションすることで、タイヤにかかる負荷を分散させられるからです。

ローテーションは、5000~7000kmごと行うのが望ましいとされています。車の駆動方式によって効率のいいローテーションの方法があるので、自分の車に合った方法で行いましょう。

夏場には使用しない

スタッドレスタイヤは、低温での柔軟性を保つように設計されているため、夏場の高温で使用するとゴムが過度に柔らかくなり、摩耗が進行しやすくなります。面倒でも、夏場にはサマータイヤやオールシーズンタイヤに交換しましょう。

また、タイヤの寿命の観点以外でも、スタッドレスタイヤを使用すると、ロードノイズが大きかったりブレーキ性能が悪かったりと運転にも支障が出る場合があります。

保管場所に注意する

スタッドレスタイヤを長持ちさせるためには、保管場所にも注意しましょう。使用しない間は、直射日光や高温多湿を避けた場所で保管しましょう。とくに夏場は、屋内の涼しい場所で保管することがおすすめです。難しい場合はタイヤカバーを利用しましょう。

タイヤの置き方は、縦置きより横置きのほうがよいとされています。タイヤ自体の重さによる負担を軽減させるため、定期的に置き換えるとより効果的です。

スタッドレスタイヤの処分方法は?

スタッドレスタイヤの処分方法は?

スタッドレスタイヤは、国から「適正処理困難物」に指定されているため、粗大ごみなどとして捨てることはできません。業者に依頼して回収してもらうのが一般的です。回収には手数料がかかり、金額は回収業者や回収を請け負っている店などで異なります。

回収している業者は、ガソリンスタンド、カー用品店やタイヤ販売店、カーディーラー、不用品回収業者などです。また、中古タイヤを買い取りしている中古タイヤ販売店やリサイクル業者もあるので、状態のよいタイヤを手放すときは買い取りを検討するのもよいでしょう。

スタッドレスタイヤの寿命を把握しておこう

スタッドレスタイヤについて、寿命や交換時期の見極めポイント、長持ちさせる方法などを紹介しました。スタッドレスタイヤは、冬道を安全に走行するために欠かせないタイヤです。寿命を正しく把握し、適切なタイミングで交換することで、安全性を確保しながら長期間の使用が可能になります。

タイヤの点検の際には、耐久年数や走行距離に加え、タイヤの溝の深さやゴムの硬さ、ひび割れの有無もチェックしましょう。また、保管時にも気をくばることで、次のシーズンにも安心して使用できます。スタッドレスタイヤの寿命を把握して、冬の道路も安全に走行できるとよいですね。