タイヤの製造年月日の見方とは?サイドウォールの刻印の表記・種類を解説!

タイヤの製造年月日はサイドウォールに刻印されていますが、「どの数字を見たらよいか」「いつ交換したらよいか」とお困りではありませんか?そこで本記事では、タイヤの製造年月日の見方を解説します。サイドウォールの刻印の種類やタイヤ交換のタイミングもまとめてありますので、ぜひ最後までご覧ください。
タイヤの製造年月日の見方(サイドウォールのDOTコード)
タイヤの製造年月日は、サイドウォールに刻印されているDOTコードを見ると分かります。DOTコードは、米国運輸省(Department of Transportation)が定めたタイヤの製造情報です。
- DOTコードは、12桁または13桁の英数字である
- 下4桁の数字が厳密には製造年月日ではなく、製造年週を表す
DOTコードの数字は、2000年以前のタイヤと2000年以降のタイヤで異なりますので、詳しく解説します。
2000年以前に製造されたタイヤ
2000年以前に製造されたタイヤには、3桁の数字が刻印されていました。上2桁が製造週で、下1桁が製造年を表します。たとえば、DOTコードの下3桁が「012」であれば、「1992年の1週目」に製造されたタイヤです。
ただし、2025年時点では、2000年以前に製造されたタイヤは一般販売されていません。後ほど詳しく解説しますが、製造から5年以上が経過したタイヤはゴムが劣化しており、走行性能が低下しています。
DOTコードに3桁の数字しか記載されていないタイヤを見つけても、実際に自動車に装着して走行することは危険です。
2000年以降に製造されたタイヤ

2000年以降に製造されたタイヤには、4桁の数字が刻印されています。上2桁が製造週で、下2桁が製造年を表します。たとえば、上の写真ではサイドウォールに「0125」(DOTコード)が刻印されていますので、「2025年の1週目」に製造されたタイヤです。
2000年代を迎えると、1990年代に製造されたタイヤと区別する必要があるため、3桁から4桁の数字が刻印されるようになりました。仮に「2002年の1週目」に製造されたタイヤに「012」と刻印してしまうと、「1992年の1週目」と勘違いされてしまうからです。
2025年時点で流通しているタイヤのサイドウォールには、数字4桁のDOTコードが刻印されています。
【メーカー別】タイヤの製造年月日の見方

タイヤの製造年月日は、メーカーによって異なる部分があります。主要メーカー別にタイヤの製造年月日の見方を解説します。
ヨコハマタイヤ
ヨコハマタイヤは、タイヤの側面に製造番号が刻印されており、製造工場を表すアルファベット3桁の後に、数字4桁で製造週と製造年が示されています。たとえば「YYY0424」と刻印されている場合、「YYY」は製造工場、最初の2桁「04」は4週目、後の2桁「24」は2024年を表しています。
ブリヂストンタイヤ
ブリヂストンタイヤも、アルファベットの後に数字4桁で製造週、製造年が刻印されています。ゴムの中にへこんだ文字で記されており、最初の2桁は週を、後の2桁は年を示しています。1999年以前に製造されたタイヤについては、3桁の数字で製造年週を示していました。たとえば「129」であれば、最初の2桁「12」は12週目、最後の1桁「9」は1999年、を示しています。
製造年月日はホイールとタイヤの境目あたりに記されていることが多いですが、まれに内側に刻印されている商品もあるようです。
トーヨータイヤ
トーヨータイヤは、タイヤ側面にある7桁の製造番号から製造週、製造年を読み取ることができます。セリアル番号と呼ばれ、タイヤの側面に刻印されている記号です。最初の3桁の英数字は設計コードで、下4桁のうち最初の2桁が製造週、後の2桁が製造年を示しています。たとえば「7KB0624」と刻印があった場合、「7KB」が設計コード、「06」は6週目、「24」は2024年を表しています。
ブリヂストンタイヤ同様、1999年以前の製造番号では、下3桁の数字で製造年週を示していました。
ダンロップタイヤ
ダンロップタイヤは、英数字5桁の製造番号から製造週、製造年を読み取ります。他メーカーと同様、下4桁のうち最初の2桁が製造週、後の2桁が製造年を示しています。たとえば「X1224」の刻印からは、「12」は12週目、「24」は2024年を読み取ることができるのです。これらの記号は、タイヤの側面にへこんだ文字で記されています。
ミシュランタイヤ
ミシュランタイヤは、15桁の英数字でセーフティ・スタンダード・コードと呼ばれる製造番号が刻印されています。製造年週は、他メーカーと同じように下4桁の数字から確認できます。たとえば「DOT OC49 01YX 3024」であれば、「30」は30週目、「24」は2024年という意味です。
グッドイヤータイヤ
グッドイヤータイヤも、同じようにタイヤ側面に書かれた製造記号から確認します。アルファベットと数字の15桁からなっており、他のメーカー同様、下数字4桁で製造週数と西暦の下2桁を表しています。「DOT DM66 JA6R 0124」であれば、「01」は1週目、「24」は2024年と読み取りましょう。
ピレリタイヤ
ピレリタイヤも、セーフティ・スタンダード・コードという番号が刻印されています。15桁の記号で、下4桁の数字で製造週、製造年がわかります。「DOT XT BK L521 4224」であれば、「42」は42週目、「24」は2024年という意味です。
タイヤのサイドウォールの刻印の種類(数字やアルファベット)
タイヤのサイドウォールには製造年月日だけでなく、数字やアルファベットでさまざまな情報が刻印されています。ここでは、タイヤサイズや回転方向、装着の向き、残りの溝、適した路面の読み取り方を確認しましょう。
タイヤサイズ(幅・偏平率・ラジアルタイヤ・リム径・ロードインデックス・速度記号など)

車種に合うタイヤを選ぶためには、サイドウォールの刻印からタイヤサイズを読み取ることが必要です。「205/55R16 91V」と表示されているタイヤ(上の写真)を例にして、詳しく解説します。
・205:タイヤの断面幅が205mm
・55:偏平率(断面幅に対するタイヤの高さの比率)が55%
・R:ラジアルタイヤ
・16:リム径(ホイール部分の直径)16inch
・91:タイヤ1本の負荷指数(ロードインデックス)が91(615㎏)
・V:速度記号が最高240㎞/h
タイヤサイズの見方については、次の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

回転方向(ローテーション)
サイドウォールに「ROTATION」と矢印が刻印されているタイヤは、回転方向が決まっている方向性タイヤです。矢印の向きに回転するように装着することで、走行性能を発揮します。
- 方向性タイヤのメリット:排水性能・制動力が高く、見た目がスポーティー
- 方向性タイヤのデメリット:本体価格が高く、タイヤ交換が制限される
方向性タイヤのメリット・デメリットについては、次の記事に詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。
装着の向き(インサイド・アウトサイド)
サイドウォールに「INSIDE」「OUTSIDE」と表示されているタイヤは、装着の向きが決まっている非対称タイヤです。トレッドの内側と外側でデザインが異なり、表裏を正しく装着することで走行性能を発揮します。
タイヤをローテーションする際には、トレッドのパターンに注意してください。
- 対称タイヤ:進行方向も表裏も入れ替えられる
- 非対称タイヤ:進行方向を入れ替えられるが、表裏を入れ替えられない
- 方向性タイヤ:進行方向を入れ替えられないが、表裏を入れ替えられる
対称タイヤと非対称タイヤの違いについては、次の記事に詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。
残りの溝(スリップサイン・プラットホーム)
タイヤのサイドウォールには、残りの溝を示すマーク(スリップサイン・プラットホーム)も刻印されています。
| マークの種類 | 目的 | 刻印の方法 |
| スリップサイン | ノーマルタイヤの残りの溝が1.6mmになったことを知らせる(交換のサイン) | サイドウォールに三角印(△)が刻印されている |
| プラットホーム | スタッドレスタイヤの残りの溝が50%になったことを知らせる(交換のサイン) | サイドウォールに矢印(↑)が刻印されている |
スリップサインとプラットホームについては、次の記事に詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。

適した路面(スタッドレス・スノーフレークマーク・M+Sマーク)
タイヤのサイドウォールには、適した路面を示すマークも刻印されています。
- 「STUDLESS」「SNOW」:雪道や凍結路面を走行できるスタッドレスタイヤ
- スノーフレークマーク(山と雪の結晶のマーク):国際認証を取得した冬用タイヤ
- M+S(マッド&スノー):泥道や雪道にも対応するタイヤ
スタッドレスタイヤとノーマルタイヤの見分け方については、次の記事に詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。

タイヤ交換のタイミングを決める際のチェックリスト

タイヤの寿命は製造年週だけではなく、走行距離や残りの溝、ゴムの劣化具合などによって変化します。ここでは、タイヤ交換のタイミングを見極める方法について詳しく解説します。
製造年週
一般的に、タイヤの寿命は製造から4~5年程度です。たとえ未使用であっても、タイヤのゴムは経年劣化していきます。
例えばサイドウォールに「2420」(2020年24週目の製造)が刻印されたタイヤであれば、2025年6月ごろには寿命を迎えます。見た目が綺麗で溝が残っていても、グリップ力や柔軟性が低下しているからです。
したがって、製造年週から4~5年を経過したタイミングで、タイヤ交換を検討しましょう。
走行距離
製造から数年以内であっても、走行距離が30,000kmを超えたらタイヤ交換のタイミングが近づいています。走行距離が長くなるほど、タイヤが摩耗していくからです。
- 新品タイヤの溝は7~8mm程度である
- 5,000km程度の走行で、タイヤの溝が1mm摩耗する
- 30,000kmを超えると、残りの溝が1.6mmに近づく
- 道路交通法に基づいて、残りの溝が1.6mm以下では走行できない(※1)
- スタッドレスタイヤでは、プラットフォームも確認する(プラットホームが露出したら、雪道や凍結路面の走行は大変危険になる)
製造年週や走行環境などによって、摩耗の程度は変動します。スリップサインが露出する前に、タイヤ交換を計画しましょう。
※1参照元:一般社団法人日本自動車タイヤ協会「安全に乗るために」(https://www.jatma.or.jp/tyre_user/ridingsafely.html)
残りの溝(スリップサイン)
製造年週や走行距離に関わらず、残りの溝が1.6mmに達したら必ずタイヤを交換しなくてはなりません(※2)。
- 定期的にスリップサインをチェックする
- スリップサインは、タイヤ1本につき4~9か所ある
- タイヤの溝が約1.6mm以下になると、スリップサインが露出する
- 前輪と後輪で均等にすり減るとは限らないため、まんべんなくチェックする
スリップサインが露出したタイヤを装着したまま走行を続けると、「整備不良車両」として道路交通法違反を問われますので絶対に止めましょう。
※2参照元:一般社団法人日本自動車タイヤ協会「安全に乗るために」(https://www.jatma.or.jp/tyre_user/ridingsafely.html)
ゴムの劣化具合(ひび割れ・ピンチカット・硬化)
タイヤ交換のタイミングは、ゴムの状態からも判断できます。ゴムのひび割れ・ピンチカット・硬化を発見したら、製造年週・走行距離・残りの溝に関わらず交換を検討してください。
- ひび割れ:紫外線や熱、空気圧の不足などで発生
- ピンチカット:段差や縁石、小石などの衝突で発生
- 硬化:紫外線や熱などで発生
ゴムが劣化したタイヤで走行するとグリップ力が低下し、制動距離が延びるため危険です。バーストの危険性もあります。走行前後にはトレッドだけではなく、サイドウォールの状態も確認しましょう。
タイヤの製造年月日に関するよくある質問

タイヤの製造年月日を確認する際には、組み合わせ方や古いタイヤの使用、長持ちさせる方法などについて疑問を抱くものです。ここでは、よくある質問をまとめて、回答をご紹介します。
製造年月日が違うタイヤを組み合わせても大丈夫ですか?
はい、製造から2年以内のタイヤであれば、組み合わせて走行できます。なぜなら製造から2年以内であれば、ゴムの劣化があまり進行していないからです。
- 新品タイヤを4本購入する際に、製造年が異なることは珍しくない
- 製造から2年以内のタイヤを揃えることで、走行が安定する
ただし、タイヤの保管状態や走行の頻度などによって、タイヤの寿命は変わります。製造年だけではなく、走行距離や残りの溝、ゴムの劣化具合を定期的に確認しましょう。
古いタイヤを使うとどうなりますか?
劣化の進んだ古いタイヤを使うと、スリップやバースト(破裂)の危険があります。タイヤの溝が減りスリップサインが出ている状態で走行すると、排水能力が低下し、とくに雨の日には滑りやすくなります。
また、ブレーキを踏んだときに滑るような感覚があったり、制動距離(停止するまでの距離)が長くなったりすると、タイヤのグリップ性能が低下している可能性があり、スリップが起こりやすい状態といえます。路面とタイヤの間に水が入り込み、タイヤが浮いてしまうハイドロプレーニング現象も発生しやすくなり、ハンドル操作、アクセル、ブレーキが効かなくなる危険があります。
スリップと同時に、バースト(破裂)の危険もあります。バーストとは、大きな爆発音とともに突然タイヤが破裂する現象です。タイヤにひび割れが生じたまま放置すると、隙間から水が入り込んで内部が錆び、タイヤ全体が歪んでこのような現象が起きる可能性があります。タイヤがバーストすると、ハンドル操作ができなくなり、車のコントロールが失われて事故につながるため非常に危険です。
タイヤを長持ちさせる方法はありますか?
次の点に気を配ることで、タイヤの寿命を延ばすことができます。
- タイヤの保管場所に気をつける
- タイヤの置き方に注意する
- 適正な空気圧をキープする
タイヤの劣化を防ぐためには、保管場所に気をつけます。屋根のある場所でできるだけ汚れないようにし、紫外線や雨風の影響を受けにくい環境を確保しましょう。高温多湿になる場所もゴムにダメージを与えるので、避けておいたほうが無難です。
保管する際、タイヤは基本的に「ホイール付きは横置き」「タイヤのみは縦置き」にしましょう。ホイール付きのタイヤを縦に置くと、ホイールの重さでタイヤのゴムが歪む可能性があります。一方、タイヤのみを横に積み重ねると、下のタイヤに負荷がかかり、劣化が早まる恐れがあります。横置きにする場合は、定期的に上段と下段のタイヤを入れ替えるとよいでしょう。
日常的な点検として、空気圧が適正に保たれているかを確認することも重要です。適正空気圧を維持することで、偏摩耗(部分的な摩耗)を防げます。空気圧が適正より低い状態で走行を続けると、タイヤのショルダー部分が摩耗しやすくなります。一方、空気圧が高すぎると、トレッド面のセンター部分が摩耗しやすくなるので注意が必要です。空気圧が不足したまま走行すると、パンクの原因になったり、燃費が悪化したりすることもあります。定期的なエアチェック(空気圧の点検)を行うことで、タイヤを長持ちさせることができるのです。
製造年月日をチェックしてからタイヤを購入しよう
タイヤを購入する際は、サイドウォールのDOTコードから製造年月日を必ずチェックしましょう。安全運転を維持するためには、定期的なタイヤの点検や寿命を迎える前の交換が重要です。
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