タイヤの製造年月日の見方とは?使用の許容範囲やアルファベットの意味も紹介

タイヤの製造年月日は、タイヤの側面に刻印されています。しかし、記載されている数字のどれを見たらよいのかわからない、という人も多いのではないでしょうか。製造年は重要な情報なので、見方を知っておきたいですよね。
この記事では、メーカー別のタイヤの製造年月日の見方や、一緒に記載されているアルファベットの意味を紹介します。また、製造年から確認できる使用の許容範囲についても解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
タイヤの製造年月日はどこに書いてある?

タイヤの製造年月日を確認したいときは、タイヤのサイドウォール(側面)に刻印されている数字をチェックしましょう。流通しているタイヤには4桁の数字が記載されており、その数字が「製造年」と「製造週」を意味しています。
たとえば、「0224」と記載されていた場合、最初の2桁「02」は製造週を、後の2桁「24」が製造年を表しています。この場合は、「02」は2週目、「24」は2024年となり、2024年の2週目(1月8日~1月14日)に製造されたことが読み取れるのです。
タイヤに表示されている数字やアルファベットの意味とは?

タイヤには、製造年月日だけでなく、数字やアルファベットでさまざまな情報が刻印されています。まず、側面に「215/50R17 94W」と表示されているタイヤを例に説明しましょう。これらは、タイヤサイズに関する表示です。
・215:タイヤ幅を示しています。この場合は215mmです。・50:扁平率(タイヤ幅に対するタイヤの高さの比率)を示しています。この場合は50%です。・R:「ラジアルタイヤ」を示しています。・17:リム径(ホイール部分の直径)を示しています。この場合は17インチです。・95:荷重指数を示しています。荷重指数(ロードインデックス)とは1本のタイヤが支えることができる最大負荷能力(kg)のことを指します。この場合の「94」は670kgという意味です。・W:速度記号を示しています。規定条件下で走行できる最高速度を指し、「W」は最高速度が270km/hであることを意味しています。 |
スタッドレスタイヤや雪道に関する表示は以下の通りです。
・STUDLESS:スタッドレスタイヤであることを示しています。・M+S:「マッド&スノー」を意味し、ぬかるんだ泥道や雪道にも対応する性能を備えたタイヤであることを示しています。・SNOW:JATMA(日本自動車タイヤ協会)の定める冬用タイヤを示しています。・山と雪の結晶のマーク:「スノーフレークマーク」といい、欧州の規格で定められた冬用タイヤと認証されたタイヤについています。 |
このほかにも、次のような表示があります。
・INSIDE/OUTSIDE:タイヤの溝が左右非対称パターンである場合、タイヤの内側と外側を区別するために表示されています。「OUTSIDE」が外側から見えるように取り付けます。・ROTATION:回転方向が決められたタイヤである場合、正しい回転方向を示すために示されています。矢印の向きに走行できるよう取り付けます。・スリップサイン:側面にある△マークが表示されており、その先にスリップサインがあることを示しています。タイヤの残り溝が1.6mmになるとスリップサインが表面に出てきます。タイヤ交換の目安になるサインです。・プラットフォーム:スタッドレスタイヤにのみ表示されているサインです。プラットフォームが表面に出てくると氷雪路性能が落ちているサインとなり、スタッドレスタイヤとしては使用できません。 |
メーカー別タイヤ製造年月日の見方

タイヤの製造年月日は、メーカーによって異なる部分があります。主要メーカー別にタイヤの製造年月日の見方を解説します。
ヨコハマタイヤ
ヨコハマタイヤは、タイヤの側面に製造番号が刻印されており、製造工場を表すアルファベット3桁の後に、数字4桁で製造週と製造年が示されています。たとえば「YYY0424」と刻印されている場合、「YYY」は製造工場、最初の2桁「04」は4週目、後の2桁「24」は2024年を表しています。
ブリヂストンタイヤ
ブリヂストンタイヤも、アルファベットの後に数字4桁で製造週、製造年が刻印されています。ゴムの中にへこんだ文字で記されており、最初の2桁は週を、後の2桁は年を示しています。1999年以前に製造されたタイヤについては、3桁の数字で製造年週を示していました。たとえば「129」であれば、最初の2桁「12」は12週目、最後の1桁「9」は1999年、を示しています。
製造年月日はホイールとタイヤの境目あたりに記されていることが多いですが、まれに内側に刻印されている商品もあるようです。
トーヨータイヤ
トーヨータイヤは、タイヤ側面にある7桁の製造番号から製造週、製造年を読み取ることができます。セリアル番号と呼ばれ、タイヤの側面に刻印されている記号です。最初の3桁の英数字は設計コードで、下4桁のうち最初の2桁が製造週、後の2桁が製造年を示しています。たとえば「7KB0624」と刻印があった場合、「7KB」が設計コード、「06」は6週目、「24」は2024年を表しています。
ブリヂストンタイヤ同様、1999年以前の製造番号では、下3桁の数字で製造年週を示していました。
ダンロップタイヤ
ダンロップタイヤは、英数字5桁の製造番号から製造週、製造年を読み取ります。他メーカーと同様、下4桁のうち最初の2桁が製造週、後の2桁が製造年を示しています。たとえば「X1224」の刻印からは、「12」は12週目、「24」は2024年を読み取ることができるのです。これらの記号は、タイヤの側面にへこんだ文字で記されています。
ミシュランタイヤ
ミシュランタイヤは、15桁の英数字でセーフティ・スタンダード・コードと呼ばれる製造番号が刻印されています。製造年週は、他メーカーと同じように下4桁の数字から確認できます。たとえば「DOT OC49 01YX 3024」であれば、「30」は30週目、「24」は2024年という意味です。
グッドイヤータイヤ
グッドイヤータイヤも、同じようにタイヤ側面に書かれた製造記号から確認します。アルファベットと数字の15桁からなっており、他のメーカー同様、下数字4桁で製造週数と西暦の下2桁を表しています。「DOT DM66 JA6R 0124」であれば、「01」は1週目、「24」は2024年と読み取りましょう。
ピレリタイヤ
ピレリタイヤも、セーフティ・スタンダード・コードという番号が刻印されています。15桁の記号で、下4桁の数字で製造週、製造年がわかります。「DOT XT BK L521 4224」であれば、「42」は42週目、「24」は2024年という意味です。
製造年月日から見るタイヤ使用の許容範囲

安全に走行するためのタイヤ使用の許容範囲はどの程度なのでしょうか。メーカーやサイズ、使用状況や走行距離によって異なりますが、タイヤの寿命は4~5年程度といわれています。メーカーの回答の中には約10年と説明がある場合もありますが、風雨にさらされたり、極寒、酷暑など過酷な環境にあったりすると、ゴムの劣化が早く進む可能性があります。
タイヤ交換のタイミングは?
上記にもあるように、タイヤの寿命は4~5年程度です。使用開始から4~5年経過したタイミングでタイヤ交換を検討しましょう。タイヤ専門店などで点検してもらうことをおすすめします。
自分で確認するには、次の点をチェックしてみましょう。
- 年式を確認する
- 走行距離を確認する
- スリップサインやタイヤの見た目を確認する
タイヤの年式は、側面に刻印してある製造年月日から判断します。製造年から4~5年経過しているタイヤは点検が必要な時期に差し掛かっているといえるでしょう。また、走行距離も目安の一つです。タイヤは、約5,000kmの走行で1mm摩耗するといわれており、計算上は約32,000km走行すると寿命を迎えることになります。
タイヤの見た目から確認することもできます。まず、スリップサインをチェックしましょう。タイヤの溝が約1.6mm以下になると現れるスリップサインが見えたら、タイヤの交換時期が来たことを示しています。スリップサインはタイヤ1本につき4~9か所あります。
また、タイヤは前輪と後輪で均等にすり減るとは限らないため、すべてのタイヤをまんべんなくチェックしてください。スリップサインが出たタイヤをそのまま使用し続けると、「整備不良」として道路交通法に違反することになるので注意が必要です。
タイヤの表面や側面にもトラブルが表れていないか確認しましょう。ひび割れや亀裂、ピンチカットなどが見つかったら、タイヤの劣化が進んでいるといえます。スタッドレスタイヤの場合、プラットフォームという摩耗サインも確認が必要です。スタッドレスタイヤの溝が50%まで減るとプラットフォームが見えるようになり、雪道や凍結した道路での走行はできなくなります。
古いタイヤを使うとどうなる?
劣化の進んだ古いタイヤを使うと、スリップやバースト(破裂)の危険があります。タイヤの溝が減りスリップサインが出ている状態で走行すると、排水能力が低下し、とくに雨の日には滑りやすくなります。
また、ブレーキを踏んだときに滑るような感覚があったり、制動距離(停止するまでの距離)が長くなったりすると、タイヤのグリップ性能が低下している可能性があり、スリップが起こりやすい状態といえます。路面とタイヤの間に水が入り込み、タイヤが浮いてしまうハイドロプレーニング現象も発生しやすくなり、ハンドル操作、アクセル、ブレーキが効かなくなる危険があります。
スリップと同時に、バースト(破裂)の危険もあります。バーストとは、大きな爆発音とともに突然タイヤが破裂する現象です。タイヤにひび割れが生じたまま放置すると、隙間から水が入り込んで内部が錆び、タイヤ全体が歪んでこのような現象が起きる可能性があります。タイヤがバーストすると、ハンドル操作ができなくなり、車のコントロールが失われて事故につながるため非常に危険です。
タイヤを長持ちさせるには?
タイヤを少しでも長持ちさせるにはどのような工夫をすればよいのでしょうか。次の点に気を配ることで、タイヤの寿命を延ばすことができます。
- タイヤの保管場所に気をつける
- タイヤの置き方に注意する
- 適正な空気圧をキープする
タイヤの劣化を防ぐためには、保管場所に気をつけます。屋根のある場所でできるだけ汚れないようにし、紫外線や雨風の影響を受けにくい環境を確保しましょう。高温多湿になる場所もゴムにダメージを与えるので、避けておいたほうが無難です。
保管する際、タイヤは基本的に「ホイール付きは横置き」「タイヤのみは縦置き」にしましょう。ホイール付きのタイヤを縦に置くと、ホイールの重さでタイヤのゴムが歪む可能性があります。一方、タイヤのみを横に積み重ねると、下のタイヤに負荷がかかり、劣化が早まる恐れがあります。横置きにする場合は、定期的に上段と下段のタイヤを入れ替えるとよいでしょう。
日常的な点検として、空気圧が適正に保たれているかを確認することも重要です。適正空気圧を維持することで、偏摩耗(部分的な摩耗)を防げます。空気圧が適正より低い状態で走行を続けると、タイヤのショルダー部分が摩耗しやすくなります。一方、空気圧が高すぎると、トレッド面のセンター部分が摩耗しやすくなるので注意が必要です。
また、空気圧が不足したまま走行すると、パンクの原因になったり、燃費が悪化したりすることもあります。定期的なエアチェック(空気圧の点検)を行うことで、タイヤを長持ちさせることができるのです。
製造年月日が違うタイヤを使っても大丈夫?

新品タイヤを4本購入した際、製造年月日がすべて違うタイヤだった、ということがあるようです。実は、このようなことはめずらしいケースではなく、製造年と製造週が同じものがそろっているケースのほうが少ないのだとか。このような場合、製造年月日の違いによってタイヤの品質に影響が出てくるのでしょうか。
答えは、「製造年が約2年以内であればほぼ同じ品質としてみなしてよい」のだそう。しっかりした管理を行っていれば、2~3年の開きがあっても制動距離やグリップ性能などは変わらず、走行の安全性には影響が出ないのだそうです。従って、4本とも製造年月日が違うタイヤであっても、約2年以内であれば問題なく使用してよいといえるでしょう。
タイヤの製造年月日をチェックしてみよう
タイヤの製造年月日の見方を紹介しました。タイヤの製造年と製造週は側面に4桁の数字で刻印されており、ほかに記載されているアルファベットや数字はタイヤサイズなどを示していることがわかりました。
また、タイヤの寿命は約4~5年といわれています。劣化が進んだタイヤは安全な走行ができなくなるため、定期的に点検や交換を行うことがおすすめです。この記事を参考に、ぜひ一度タイヤの確認をしてみてはいかがでしょうか。