スタッドレスタイヤの見分け方!誰でもできるチェックポイントを解説

雪道や凍結路面の走行に欠かせないスタッドレスタイヤですが、夏用タイヤ(ノーマルタイヤ)との見分け方が分からないと不安に感じるものです。そこで本記事では、スタッドレスタイヤを見分けるためのチェックポイントを解説します。
スタッドレスタイヤの基本情報については、以下の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。

スタッドレスタイヤと夏用タイヤ(ノーマルタイヤ)の見分け方(チェックポイント)
スタッドレスタイヤと夏用タイヤ(ノーマルタイヤ)の違いは、タイヤ側面の表記や接地面の溝(形状やサイプ)、ゴムの材質などのポイントをチェックすることで見分けられます。スタッドレスタイヤを購入する前に、チェックポイントを把握しておきましょう。
側面の表記
スタッドレスタイヤを見分けるためには、まずタイヤ側面の表記をチェックしてください。
スタッドレスタイヤの側面には「STUDLESS」「SNOW」などが刻印されています。国際認証を取得している製品には、「スノーフレークマーク」も付いています(※1)。

※画像引用元:国土交通省「雪道は冬用タイヤで走行しましょう(https://wwwtb.mlit.go.jp/hokushin/content/000306832.pdf)
一方で、夏用タイヤ(ノーマルタイヤ)には、上記のような刻印やマークが付いていません。タイヤ側面は目視で確認できるため、スタッドレスタイヤの簡単な見分け方です。
※1参照元:国土交通省「雪道は冬用タイヤで走行しましょう」(https://wwwtb.mlit.go.jp/hokushin/content/000306832.pdf)
接地面の溝(深さ・形状・サイプ)
タイヤ接地面の溝も、スタッドレスタイヤを見分けるためのポイントです。雪道や凍結路面で雪や氷を掴むように溝が設計されているスタッドレスタイヤに対して、夏用タイヤの溝はドライ路面やウェット路面に適しています。

接地面の溝の違い | スタッドレスタイヤ | 夏用タイヤ(ノーマルタイヤ) |
深さ | 深い(8~10mm程度) | 浅い(6~8mm程度) |
形状 | ブロック | リブ(直線的で縦長) |
サイプ(細かな切れ込み) | 多い | 少ない |
側面の表記と同様に、タイヤの形状やサイプは視覚的に判断できるため、チェックしやすいポイントです。
ゴムの材質(硬さ)
スタッドレスタイヤと夏用タイヤ(ノーマルタイヤ)では、ゴムの材質も異なります。
- スタッドレスタイヤ:冬場の低温環境でも硬くなりにくいゴム
- 夏用タイヤ(ノーマルタイヤ):春から秋の走行に適した硬めのゴム
スタッドレスタイヤと夏用タイヤ(ノーマルタイヤ)のゴムを指で押すと、ゴムの硬さを比較できるのです。
夏用タイヤ(ノーマルタイヤ)の雪道走行が危険な理由については、以下の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。

スタッドレスタイヤと夏用タイヤ(ノーマルタイヤ)の違い

見た目だけではなく、スタッドレスタイヤと夏用タイヤ(ノーマルタイヤ)では、走行性能や使用環境にも大きな違いがあります。
性能や法規制の違い | スタッドレスタイヤ | 夏用タイヤ(ノーマルタイヤ) |
雪道・凍結路面 | グリップ力を発揮し、スリップしにくい | グリップ力が低下し、スリップしやすい |
ドライ・ウェット路面 | 制動距離が長くなり、燃費が悪くなる | グリップ力を維持し、燃費が良い |
タイヤ規制 | 走行できる | 走行できない |
チェーン規制 | チェーンが必要になる | チェーンが必要になる |
特に、冬場の運転においては安全性と法規制の対応力が異なるため、事前に違いを把握しておくことが重要です。
雪道・凍結路面の走行性能
スタッドレスタイヤの雪道・凍結路面の走行性能は、夏用タイヤ(ノーマルタイヤ)よりも優れています。
- スタッドレスタイヤ:ブロック状の深い溝とサイプで、雪や氷を掴みやすい
- 夏用タイヤ(ノーマルタイヤ):低温環境でゴムが硬くなり、グリップ力が下がる
雪道・凍結路面で走行の安全性を保つためには、スタッドレスタイヤの使用が欠かせません。
ドライ・ウェット路面の走行性能
スタッドレスタイヤのドライ・ウェット路面の走行性能は、夏用タイヤ(ノーマルタイヤ)よりも劣ります。
- スタッドレスタイヤ:夏場の高温環境ではゴムが柔らかくなり、摩耗が進み、燃費も悪くなる
- 夏用タイヤ(ノーマルタイヤ):夏場の高温環境でもゴムが変形せず、直線的な形状の溝でグリップ力を維持できる
スタッドレスタイヤが冬場に走行性能を発揮できるように、春から秋には夏用タイヤ(ノーマルタイヤ)の使用が適切です。
タイヤ・チェーン規制時の走行可否
積雪で冬用タイヤ規制やチェーン規制が発令された際は、タイヤの種類によって走行の可否が異なります(※2)。
- スタッドレスタイヤ:冬用タイヤ規制時は走行できるが、チェーン規制時はチェーンの装着が必要になる
- 夏用タイヤ(ノーマルタイヤ):タイヤ・チェーン規制時には、チェーンを装着しないと走行できない
※2参照元
NEXCO中日本「【交通規制にご注意】知っていないと困る、冬道の交通規制」(https://www.c-nexco.co.jp/special/snow/point.html)
国土交通省「チェーン規制について」(https://www.mlit.go.jp/road/bosai/fuyumichi/tirechains.html)
なお、タイヤ・チェーン規制は、スタッドレスタイヤと夏用タイヤ(ノーマルタイヤ)だけではなく、オールシーズンタイヤにも影響を与えます。次の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。

スタッドレスタイヤの寿命の見分け方(チェックポイント)
寿命を迎えたスタッドレスタイヤで走行すると制動距離が長くなったり、スリップしやすくなったりするため、大変危険です。そこでシーズン前にスリップサインやプラットホーム、ゴムの劣化状態といったポイントをチェックして、寿命を見極めましょう。
スリップサイン
スタッドレスタイヤの寿命を判断する際に最も分かりやすいポイントが、スリップサインです。

スリップサインは、タイヤの溝の深さが使用限界値(1.6mm)になると露出します(※3)。スリップサインが露出した状態で走行すると、グリップ力が低下しているため大変危険です。
スタッドレスタイヤだけではなく、ノーマルタイヤやオールシーズンタイヤにも付いています。スリップサインをチェックすれば、タイヤの見た目から簡単に寿命を判断できます。
※3参照元:一般社団法人日本自動車タイヤ協会「安全に乗るために」(https://www.jatma.or.jp/tyre_user/ridingsafely.html)
プラットホーム
スタッドレスタイヤ特有のチェックポイントが、プラットホームです。溝の深さが新品の50%になると露出し、雪道・凍結路面での性能低下を知らせます。

プラットホームが露出した状態では雪や氷を十分に掴むことができず、制動距離が長くなり、スリップしやすくなります。したがって、冬用タイヤ規制時にはスタッドレスタイヤとして認めてもらえないのです。
冬場の安全運転を保証するためには、まだスリップサインが露出していなくても、プラットホームが見えたらスタッドレスタイヤの寿命を判断してください。
ゴムの劣化状態
ゴムの劣化状態も、スタッドレスタイヤの寿命を見分けるためのチェックポイントです。ゴムがひび割れたり、硬くなったりしたスタッドレスタイヤは、寿命を迎えています。
たとえ未使用で溝が残っていても、ゴムは経年劣化していきます。製造から3~5年を迎える間にゴムが徐々に硬化して、スタッドレスタイヤのグリップ力が落ちてしまうのです。
スタッドレスタイヤを使用する際には、見た目と感触でゴムの劣化状態を定期的にチェックすることが重要です。スタッドレスタイヤの寿命については、次の記事に詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。

スタッドレスタイヤに関するよくある質問

初めてスタッドレスタイヤを購入する際は、交換・使用の時期や長持ちさせる方法、オールシーズンタイヤとの違いなどについて疑問を抱くものです。そこでスタッドレスタイヤに関するよくある質問を集めましたので、それぞれの回答をご紹介します。
スタッドレスタイヤはどんな人におすすめですか?
積雪量の多いエリアや凍結しやすい路面を走行する頻度の高い人に、スタッドレスタイヤがおすすめです。
具体的には、以下の条件に当てはまる人におすすめです。
- 雪国や寒冷地に暮らす人
- スキー・スノーボードが趣味の人
- 早朝・深夜に長距離運転する人
- 冬場に高速道路を利用する人
- チェーンの取り付けが面倒な人
スタッドレスタイヤは、夏用タイヤ(ノーマルタイヤ)と比べて、雪道や凍結路面の走行性能が高いです。急な積雪や凍結があっても運転中の安全性を確保したい場合に、スタッドレスタイヤが役立ちます。
いつ頃にスタッドレスタイヤへ交換すればいいですか?
初雪が予想される1か月前または気温が7℃を下回る時期には、夏用タイヤ(ノーマルタイヤ)からスタッドレスタイヤへの交換を検討しましょう。
10月下旬から11月中旬にスタッドレスタイヤへ交換しておけば、急な寒波や積雪でも走行できます。また早めに計画しておくことで、タイヤ交換の予約が混み合う前に準備を完了できるのです。
ただし、地域や年度によってタイヤ交換に適した時期は変動します。それからスタッドレスタイヤの安い時期は限られていますので、次の記事も併せてご覧ください。

春から秋も使用できますか?
はい、春から秋に使用することはできますが、注意点があります。
- 高温環境でスタッドレスタイヤを使用すると、摩耗や劣化が早くなる
- ドライ・ウェット路面の走行性能が、夏用タイヤ(ノーマルタイヤ)よりも劣る
- 通年使用することで寿命が早まると、タイヤ交換のコストが増加する
シーズンによって夏用タイヤ(ノーマルタイヤ)とスタッドレスタイヤを使い分けることで、安全運転とコスト削減を実現できるのです。ノーマルタイヤからスタッドレスタイヤへの交換については、次の記事に詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。

どうしたらスタッドレスタイヤが長持ちしますか?
保管と使用の方法に注意することで、スタッドレスタイヤを長持ちさせることができます。
- 保管方法:汚れを落として乾燥させてから、直射日光や高温多湿を避けて保管する
- 使用方法:定期的に空気圧や摩耗・劣化をチェックしながら、冬場だけ使用する
スタッドレスタイヤの性能を保ちながら寿命を延ばすためには、正しく保管して適切に使用することが重要です。
オールシーズンタイヤとの違いは何ですか?
使用に適した季節や雪道の走行性能、コストパフォーマンスが違います。
タイヤの種類 | スタッドレスタイヤ | オールシーズンタイヤ |
使用に適した季節 | 冬 | 一年中 |
雪道の走行性能 | 深い雪道や凍結路面でも走行できる | 浅い雪道なら走行できる |
コストパフォーマンス | タイヤ交換・保管のコストがかかる | タイヤ交換・保管のコストを削減できる |
オールシーズンタイヤと夏用タイヤ・冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ)の違いをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

スタッドレスタイヤを選ぶ際にはプロに相談しよう
スタッドレスタイヤの性能と寿命を長く保つためには、夏用タイヤ(ノーマルタイヤ)やオールシーズンタイヤとの違いを把握したうえで、正しく保管や交換、使用をしなければなりません。
保有する車に合ったタイヤの選び方に困ったときは、プロに相談することがおすすめです。タイヤ1番.comでは、車種やタイヤメーカーごとにタイヤをお探しいただけます。スタッドレスタイヤも取り揃えていますので、ぜひご覧ください。